陶氏診療院

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「食べることの大切さ」
カテゴリー 生活の知恵
北辰中学校の「学校だより」2月号、三上校長の「常識の価値」文章の次、養護教諭笠原先生の朝食の「食べることの大切さ」文章があり、教育の現場で、実際あった事例を用いて、朝食の大事さを語りました。中学校で、知識の教育だけではなく、食育を通じて、「調和のとれた人間性豊かな生徒の育成」の教育方針を感じました。以下で笠原先生の文章を紹介します。

                         食べることの大切さ
                                        養護教諭 笠原 初恵

3時限目の保健室。「何だかだるくて気持ちが悪い」と訴えるA君。いつもの元気がなく、冴えない顔色。脇に体温計を挟みながらの彼にいろいろ問いかけていると、他の来室者から「今日はスープカレーだね♡」との情報。その一言に「えーっ、ホント!」と表情が一転したA君。そろそろお腹がすいてくる頃だったのですね。午前中の体調不良は、「朝食抜きが原因の一つ」と思われることも少なくありません。保健室のどんな対応よりも、給食のお気に入りメニューが彼のカンフル剤だったようです。(給食後のA君の回復ぶりはご想像にお任せします。)

「お弁当の日」を実践している小学校の報告発表を聞く機会がありました。小学5・6年生を対象に月一度をお弁当の日とする。約束は「メニュー決め、食材調達から、実際の調理、そしてお弁当を詰めるまで全て自分ですること。親も先生もその出来具合いを批評も評価もしないこと」でした。賛否両論の中始まったこの取り組みですが、食への関心の高まりの他、「自分で作った自信からか同級生の意外な一面を認められるようになった。」と失敗の中から多くを学び、成長する子ども達の変化と共に、それを見守る大人達からも「じっくり見守る大切さを知り、子どもの成長を通して子育てを楽しいと思えるようになった。家族団らんが増え、家族に笑顔があふれるようになった。」と嬉しい成果が得られているそうです。映し出された昼食時の写真には、どの子にも笑顔がいっぱいあふれていました。

近年、望ましい食生活の在り方を身につけるため幼少期からの「食育の推進」が重視されています。成長著しい中学生の今、食べることの大切さを自ら考えられる人になってほしいと願っています。
2013-02-17