陶氏診療院

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カッサ(刮痧)と夏
中国の伝統療法であるカッサ(刮痧)は、もともと暑い地域で盛んに行われてきました。その理由は単純で、暑い地域や夏の時期は地上の「陽気」が非常に強くなるためです。カッサは体内の解毒を促すと同時に、気の流れを改善し、特に陽気の循環を良くすることで、陰陽のバランスを整えるのに最適とされています。

多くの病気は「寒気・湿気・風邪」などの邪気によって引き起こされます。陽気が旺盛な時期に身体を調整することは、これらの邪気に対する予防や治療として非常に有効です。

中国医学には「冬の病を夏に治す(冬病夏治)」という考え方があり、これも夏にカッサ療法が盛んに行われる理由の一つです。

カッサの中でも、特に即効性があるとされる症状が「夏バテ」です。熱中症にも効果があり、私の子ども時代、上海の暑い時期に熱中症で倒れた人が、首まわりにカッサを施しただけで再び仕事や勉強に戻れたという強い印象を持っています。

現代は生活習慣病が増えており、五臓六腑の働きに乱れが生じやすい時代です。陽気を高め、五臓六腑の機能を整えることは、健康維持にとって、とても重要です。

カッサは、誰でも・どこでも・いつでもできるシンプルな伝統療法です。多くの人がこの方法を身につけることで、自分自身や家族の健康を守る有効な手段となるでしょう。
2025-07-10