陶氏診療院

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故郷の味
2年ぶりに上海の隣町・舟山を訪れました。定海の屋台で海鮮料理を食べました。8月5日は渡蟹の解禁日で、多くの観光客が舟山に押し寄せていました。54キロに及ぶ大橋には他省ナンバーの車がびっしりと走っていました。

渡蟹、太刀魚、チンゲン菜、マコモタケ(真菰筍)はどれも絶品でした。美味しいものを食べると元気が出るというのは本当ですね。まず香りが違うし、味も濃厚で、特にチンゲン菜は子供の頃に食べた懐かしい味がして感動しました。マコモタケも季節限定の野菜で、日本に来てから20年以上口にしていませんでした。息子もこの味はほとんど知りません。あの淡白な甘みと柔らかな食感は絶妙で、ぜひ息子にも味わわせたかったのです。

日本に来てがっかりしたことの一つがチンゲン菜です。日本のスーパーでは教科書通りの形をしたチンゲン菜が売られていますが、食べてみると「これをチンゲン菜と呼べるのか」と疑問に思うほどでした。あの独特の風味がまったくなく、本当に残念でした。ハウス栽培のせいか、季節外れだからか、土壌や栄養の問題かは分かりませんが、味の違いは明らかでした。

息子も故郷の味に驚き、喜んでたくさん食べてくれました。食事の最後に出たスイカは、日本のものより甘みは控えめでしたが、ほどよい柔らかさで食感がぴったりでした。

夏の故郷は33度の猛暑で、帰りたいとはあまり思いませんが、こうした故郷の味もなかなか口にできません。今回は学会の講演に招待されたおかげで、息子に故郷の味を体験させることができ、ほっとしています。
2025-08-12