陶氏診療院

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地震と備え
最近、日本での地震に関する話題が注目を集めています。たとえば、たつき諒氏の漫画『私が見た未来』が再び話題となり、それに影響されて、日本を訪れる観光客の中にも不安を抱く人が増えているほどです。それだけ、地震と備えについて考える人が多くなっているようです。

私は日本の北海道に33年間暮らしてきました。その間に何度か大きな地震を経験し、実際に備えているかどうかで、その後の対応や生活がまったく違ってくることを痛感しました。

地震大国・日本では、いつどこで地震が起きても不思議ではありません。ただし、同じ「地震」といっても、住んでいる場所が断層帯にあるかどうか、住宅の耐震性が確保されているか、地震時の避難ルートを事前に確認しているか、そして最低3日分の食料や飲料水を備蓄しているかどうかなど、さまざまな条件によって、被害の程度や生活への影響は大きく異なります。準備の有無が、万が一の明暗を分けるのです。

2018年(平成30年)9月6日午前3時7分、北海道胆振地方中東部を震源とする大地震が発生しました。マグニチュードは6.7、最大震度は厚真町で震度7。北海道で観測史上初めて震度7が記録された「平成30年北海道胆振東部地震」です。札幌でも震度4以上の揺れがあり、私たちの診療院のビルも大きく揺れました。ショーケースやテレビが倒れ、食器棚の食器が散乱して壊れるなどの被害が出ました。

自宅の3階で寝ていた母も揺れで飛び起き、その直後、壁に飾っていた祖父母の写真のガラス枠が落ち、幸いにも母の頭のすぐ横に落ちて割れましたが、怪我はありませんでした。

停電で室内が真っ暗になり、危険だったため車庫の車に避難し、札幌市内に住む姉の安否を確認しながら朝を迎えました。普段から発芽発酵玄米を炊いており、冷めても食べられるため食事には困りませんでした。季節は夏、生野菜も副菜になりますし、清涼飲料水「パイロゲン」や海洋深層水「マハロ」なども常備していたので、飲料水にも問題はありません。トイレも使えたため、生活は比較的落ち着いていました。

地震翌日には徒歩で来院された患者さんの診療も継続できました。部屋の散乱した写真は中国の新華社の記者に提供され、中国の知人たちにも届きました。「無事でよかった」と、皆安心してくれたようです。

日本の建築技術は、地震対策において非常に重要な役割を果たします。当時、診療院として使用していたビルを購入する際にも、耐震性能について再確認を求めたほどです。

地震への備えで最も大切なのは、「こころ」の準備だと思います。落ち着いて行動できる自分、健康に自信を持つ自分、自分を守る力、そして周りを助ける力――それらが、地震に直面したときの第一歩となるでしょう。

安全で安心な北海道の7月を迎えられるよう、心より祈っています。
2025-06-20