陶氏診療院

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権力者・実業家とNPD(自己愛性パーソナリティ障害)
6月7日付のワシントン共同通信によると、トランプ米大統領は6日、ABCテレビの電話インタビューにおいて、政権の目玉法案を巡って対立した実業家のイーロン・マスク氏を「正気を失った男」と呼び、早期の関係修復に否定的な見解を示しました。このような二人の対立構造は、医学的に「自己愛性パーソナリティ障害」(Narcissistic Personality Disorder, NPD)の特徴を連想させます。

NPD(自己愛性パーソナリティ障害)とは
NPDは、過大な自己評価、他者からの賞賛への強い欲求、共感性の欠如などを特徴とするパーソナリティ障害の一つです。

NPDの主な特徴
過大な自己評価
自分の能力や達成を過大に評価し、他者の能力を過小評価する傾向があります。

賞賛への強い欲求
他者からの絶え間ない賞賛や注目を求め、それによって自尊心を維持しようとします。

共感性の欠如
他者の感情やニーズを理解することが難しく、他者の立場を考慮しない傾向があります。

搾取的な態度
他者を自己の利益のために利用しようとする行動が見られることがあります。

脆弱な自尊心
外的評価に依存しており、批判や否定に対して過敏に反応しがちです。

NPDの診断基準
NPDの診断は、精神医学の診断基準(DSM-5)に基づいて行われます。診断には、特定の症状が長期間持続し、個人の社会的または職業的な機能に著しい支障をきたしていることが考慮されます。

NPDの治療
NPDの治療には、精神療法(特に精神力動的心理療法)が用いられます。治療の目的は、患者がより健康的な人間関係を築けるよう支援することです。ただし、権力者や実業家のように高い地位にある人々に対して、治療がどの程度有効かについては疑問の声もあります。

その他の注意点
NPDを抱える人は、日常生活や対人関係において困難を感じることが少なくありません。家族や友人、パートナーとの関係に問題が生じることもあります。NPDの症状に悩む場合は、精神科医や臨床心理士などの専門家に相談することが重要です。
2025-06-08