陶氏診療院

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暑い時の食べ物
今日7月22日は「大暑」です。暦通りに猛烈な暑さを続いています。

今年6月25日の北海道は、オホーツク海側を中心に7地点で34℃を超えるなど、記録的な暑さとなりました。2日連続で、全国でも最も厳しい暑さを記録し、札幌市中央区でも33.1℃を観測。これは6月としては観測史上2番目の高温です。

7月に入っても30℃を超える日が続き、避暑地で知られる北海道でも、健康管理に注意が必要な夏となっています。

暑い日には、冷たい飲み物や食べ物が欲しくなるものです。しかし、「体を冷やすために冷たい物を取る」ことの効果には、注意が必要です。たしかに、熱中症が疑われるような時には、身体を外側から冷やす(冷却シート、冷水シャワー、風を当てるなど)ことは有効です。しかし、冷たい飲食物を摂ることが体温を下げるのかというと、そう単純ではありません。

人の体は、気温が高くなると、熱を逃がすために血液を体表に巡らせ、汗をかいて体温を下げようとします。涼しい場所に行ったり、風に当たることでこの自然な冷却作用が促されます。

一方で、冷たい食べ物や飲み物を体内に入れると、口や喉では「冷たくて気持ちいい」と感じますが、内臓にとっては冷たすぎるため、体はその温度を体温に近づけようとエネルギーを使って加熱します。つまり、体内では「冷えた物を温める」という代謝が起こり、結果として体内の熱が増え、かえって体が熱くなることもあるのです。冷たい物を摂ることで体温が下がるどころか、逆効果になる場合もあります。

それよりも、体温に近いやや温かい食べ物を摂る方が、代謝による発熱が少なく、内臓に負担もかかりません。

先日、88歳になる母(糖尿病あり)が暑い日にお店で氷入りのリンゴジュースを飲んだところ、翌日下痢をしました。今朝も冷蔵庫から出したばかりの冷たいトウモロコシジュースを飲んでしまい、朝食中に3回も下痢をしました。夏は体の表面は熱くても、内臓は血流が少なく冷えていることが多いため、特に高齢者や体力の弱い人が冷たい物を摂ると、胃腸が冷えて体調を崩しやすくなります。

また、水分補給についても注意が必要です。ビールや緑茶、ジュースなどは利尿作用があるため、かえって体内の水分を失う恐れがあります。水分補給には、カフェインの入っていない飲み物や、少量の塩分・ブドウ糖を含んだスポーツドリンク、または果物や野菜(トマト、きゅうりなど)がおすすめです。

暑い夏を元気に乗り越えるために、自分の体調や体質に合った食べ物・飲み物を上手に選びましょう。
2025-07-22