陶氏診療院

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ドクター陶の健康コラム・連載・vol.62 筋肉と若さと寿命
高陽社の月間コーヨーライフ2025年五月号に、「ドクター陶の健康コラム・連載」。内容を紹介します。

筋肉と若さと寿命

老化の第一の原因は筋肉の減少です。筋肉が減少すると、皮膚のたるみ、シワ、胸の下垂、まぶたの下がり、疲れやすさ、手足の力の低下など、外見や身体機能にさまざまな影響が現れます。

高齢者の歩行異常や握力の低下は、すべて筋力の減少が原因です。一方、筋肉を維持することで、肌の弾力を保ち、姿勢を良くし、スタイルや活力を維持することができます。

筋肉は生命の質と寿命を支えています。筋肉はエネルギーの貯蔵庫であり消費器官です。生命のエンジンとも言えます。安静時の筋肉のエネルギー消費量は脂肪の3倍に達し、運動時には体のエネルギー消費の90%を占めます。また、食事から摂取したエネルギーの約80%は筋肉で消費されます。血糖値の調整にも重要な役割を果たしており、筋肉量が多いことは糖尿病や骨粗鬆症の予防にも繋がります。筋肉の減少は、脳卒中や心臓病、関節炎の発症リスクを高める要因となります。

さらに筋肉は「第二の心臓」とも呼ばれます。筋肉が強い人は静脈の血流が良く、心臓の働きを助けます。また、筋肉は骨格を保護する重要な役割を果たします。関節を支え、骨密度にも影響を与えます。筋肉が減少すると、骨粗鬆症のリスクも高まります。

筋肉の減少を防ぐためには、筋力トレーニングが最も効果的です。筋肉は使えば維持され、使わなければ萎縮します。この現象は加齢に関係なく起こります。単に歩くことや散歩だけでは、筋肉の維持には不十分です。運動を行う際には、60分以内の有酸素運動を行いましょう。
運動後には良質なタンパク質の摂取を推奨します。植物性タンパク質として、大豆製品は良い選択肢の一つです。

そして睡眠も筋肉の維持に関わります。睡眠不足は筋肉の成長を妨げ、筋肉の減少に繋がります。

筋肉は、あなたの「健康倉庫」の金塊です。健康で豊かな人生を送るためには、貯金だけでなく「貯筋」も同様に欠かせません。
2025-06-06