陶氏診療院

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やくし・薬師・医師・薬剤師
カテゴリー 生活の知恵
やくし*は医師の古語、薬師・医師とも書きます。やくしは日本の古典「徒然草」*(つれづれぐさ)一一七にも出てました。徒然草 一一七:「よき友三つあり。一つめは、物くるる友。二つめは、くすし。三つめは、智恵(ちゑ)ある友」( よい友に三種類ある。その一つは、物をくれる友。二つには、医者。三つには、知性のある友。)

朝食時、息子と話して、日本は昔の医者は「やくし・薬師」と言うから、今は医者はすぐ薬を出すのは関係あるでしょうと聞かれ、暫く考えました。やくし→薬師→医師、当時の医療は薬が象徴的、理解が出来ます。しかし、薬師は今の薬剤師に近く、本当の医師にちょっと違うような気がします。

古代、日本の賢人は中国から素晴らしい中国医学を日本に伝えてきました。しかし、中国医学の「医理」の部分は、陰陽五行などの説は、難しいから、理解していない人がいるでしょう。しかし、薬草が確実に症状を改善が出来、結果的に病気の治療は薬を使うことが多く見られ、医者も薬師になるでしょう。

現代医療では、それが更にエスカレートし、全ての症状に様々な形の薬を対応します。薬を使わなくてもいい病例にも薬を使い、過剰な投薬により、薬害まで心配になります。薬剤師が医師の代名詞になるほど悲しいことがないです。息子からの言葉は、とても深い話になり、息子もそこまで物事を考えることができ、とても嬉しく思いました。


*「徒然草」は卜部兼好(兼好法師、兼好。吉田兼好は江戸期の俗称)が書いたとされる随筆で、清少納言の『枕草子』、鴨長明の『方丈記』と合わせて日本三大随筆の一つと評価されています。

*『倭名類聚抄』に「医,和名は久須之,くすし,病を治す工 (たくみ) なり」とあります。
2015-02-15