▼生活の知恵バックナンバー
2024-11-13
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2024-11-09
哲学の三つの究極の問い
2024-11-05
死亡率と肥満度&睡眠時間
2024-10-31
実年齢と体内年齢
2024-10-29
AIは中国医学の考え方に近い
2024-10-28
共鳴から承継へ
2024-10-27
流水濁らず、忙人老いず
2024-10-19
立場と認識
2024-10-17
一葉知秋と一葉障目
2024-10-12
医学の認識と応用
2024-10-07
健康食品と健康食
2024-09-20
健康の波
2024-08-22
生と死の陰陽
2024-08-16
熱い時に気をつけたい水分補給の落とし穴
2024-08-10
がん患者さんの生命力
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「常識の価値」
カテゴリー 生活の知恵
常識の価値」の文書があります。読んで見てとても共感しました。去年北辰中学校教養部主催の陶恵栄医学博士の健康セミナーには、校長先生も参加してくれました。子どもの健康管理と指導の意識が高い先生なんですね。そんな校長先生の考えを今回、是非皆さんに紹介したいと思います。「常識の価値」について改めてご一緒に考えてみませんか。
常識の価値
校長 三上 昭博
「早寝・早起き・朝ごはん」
最近よく耳にし、目にすることばです。今の子どもたちの生活の様子を過去と比較すると、就寝時間は遅くなり、朝食をとらないなど食生活の乱れが指摘されています。
4歳から6歳の4割は夜10時過ぎにならないと就寝しません。朝ごはんを食べない子どもは小学生で15%、中学生で22%だそうです。
こうした子どもたちの基本的生活習慣の乱れは、学習意欲や体力、気力に影響をおよぼしているばかりか、非行の一因ともいわれています。普段の生活の中で、これらのことに気をつけるだけで、ずいぶんといろいろな面で効果があがることが、全国の取り組みの中から報告されています。
でも私たちが子どもだった頃を考えてみれば、あたりまえのことばかりのような気もします。学校から帰ったら暗くなるまで遊んで、家に帰れば家族みんなで晩ご飯、テレビもそんなには普及していない時代ですから夜は早く寝ていました。当然目が覚めるのも早く、家族と一緒に起きて朝ご飯を食べ、友だちを迎えに行って、やはり遊びながら学校に通っていたものです。あたりまえのことをあたりまえにすることが今こんなに注目されていることには、少しとまどいも感じます。
今の子どもたちが生きる消費時代は「常識」を否定することによって成り立っていると言われます。「常識」の世界の中に安住している消費者からは、あらたな消費意欲が生まれないからです。消費意欲を刺激するためには、常に「常識」を否定し続けてみせる必要があるのです。
人類が長い歴史の中で生み出してきた、あるいは獲得してきたそれぞれの地域、民族の生活習慣というものがあります。それは自然の摂理と膨大な時間によって研磨された、実に合理的なものなのではないかと思うのです。悪い生活習慣や不合理な生活習慣というものも確かにあって、それはやはりきちんと改善していかなくてはなりません。しかしその改善がめざす方向というものは常に昔から伝えられてきた、まさに「常識」的な生活習慣の回復といえます。
学習面でも「基礎・基本」の大切さが叫ばれています。「基礎・基本」というのは、どんな学習にも共通する「学び方」や「学ぶ意欲」、「学ぶ態度」をさしています。大人になって実際の生活の中で英語を使う人や、方程式を使う人はそれほど多くはないと思います。でも、社会の中で生きていく以上、仕事をする上でも家庭生活を営む上でも、地域社会で活動していく上でも、「学ぶ」ということから逃れることはできません。大切なのは一つ一つの知識や技能よりも、それらをすすんで獲得していくことに意義や喜びを感じ、ねばり強く頑張れることなのです。当たり前のこととは決してつまらないことではなく、当たり前の事である基本や常識にこそ、大切な生きるヒントが隠されているのではないでしょうか。
常識の価値
校長 三上 昭博
「早寝・早起き・朝ごはん」
最近よく耳にし、目にすることばです。今の子どもたちの生活の様子を過去と比較すると、就寝時間は遅くなり、朝食をとらないなど食生活の乱れが指摘されています。
4歳から6歳の4割は夜10時過ぎにならないと就寝しません。朝ごはんを食べない子どもは小学生で15%、中学生で22%だそうです。
こうした子どもたちの基本的生活習慣の乱れは、学習意欲や体力、気力に影響をおよぼしているばかりか、非行の一因ともいわれています。普段の生活の中で、これらのことに気をつけるだけで、ずいぶんといろいろな面で効果があがることが、全国の取り組みの中から報告されています。
でも私たちが子どもだった頃を考えてみれば、あたりまえのことばかりのような気もします。学校から帰ったら暗くなるまで遊んで、家に帰れば家族みんなで晩ご飯、テレビもそんなには普及していない時代ですから夜は早く寝ていました。当然目が覚めるのも早く、家族と一緒に起きて朝ご飯を食べ、友だちを迎えに行って、やはり遊びながら学校に通っていたものです。あたりまえのことをあたりまえにすることが今こんなに注目されていることには、少しとまどいも感じます。
今の子どもたちが生きる消費時代は「常識」を否定することによって成り立っていると言われます。「常識」の世界の中に安住している消費者からは、あらたな消費意欲が生まれないからです。消費意欲を刺激するためには、常に「常識」を否定し続けてみせる必要があるのです。
人類が長い歴史の中で生み出してきた、あるいは獲得してきたそれぞれの地域、民族の生活習慣というものがあります。それは自然の摂理と膨大な時間によって研磨された、実に合理的なものなのではないかと思うのです。悪い生活習慣や不合理な生活習慣というものも確かにあって、それはやはりきちんと改善していかなくてはなりません。しかしその改善がめざす方向というものは常に昔から伝えられてきた、まさに「常識」的な生活習慣の回復といえます。
学習面でも「基礎・基本」の大切さが叫ばれています。「基礎・基本」というのは、どんな学習にも共通する「学び方」や「学ぶ意欲」、「学ぶ態度」をさしています。大人になって実際の生活の中で英語を使う人や、方程式を使う人はそれほど多くはないと思います。でも、社会の中で生きていく以上、仕事をする上でも家庭生活を営む上でも、地域社会で活動していく上でも、「学ぶ」ということから逃れることはできません。大切なのは一つ一つの知識や技能よりも、それらをすすんで獲得していくことに意義や喜びを感じ、ねばり強く頑張れることなのです。当たり前のこととは決してつまらないことではなく、当たり前の事である基本や常識にこそ、大切な生きるヒントが隠されているのではないでしょうか。
2013-02-16