陶氏診療院

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ドクター陶の健康コラム・連載・vol.66 AI依存症と自立の教育問題
高陽社の月間コーヨーライフ2025年九月号に、「ドクター陶の健康コラム・連載」。内容を紹介します。

AI依存症と自立の教育問題

現代の教育は、知識の伝授を中心としてきましたが、AIの登場により、その価値と意味が問い直されています。

子供と旅をしている時、知らない場所や歴史について質問されると、すぐにChatGPT(まるで人間と会話しているかのように自然な文章で対話できる、AIのチャットサービス)に聞いて、答えを求めることがあります。確かに、現在のAIは一般的な知識を教えてくれます。その正確さや網羅性には申し分ないでしょう。しかし、その機械的な答えは、本当に私達を満足させているのでしょうか。

目や耳で、自分で見つける答えは全く別のもののように思われます。

例えば天文台を訪れた際、私は先人達が未知の宇宙を理解するために、肉眼から望遠鏡まであらゆる手段を用いて観察してきたことを学びました。

そこには人類の想像力で現象を合理的に解釈し、宇宙の本質を説明しようとした努力が感じられました。

また私はロサンゼルスのラブレアタールピッツ博物館を訪問した事もあります。ここには天然アスファルトの池があり、太古の昔、そこで溺れて死んだ生き物が化石となって発見される、驚くべき場所です。石油の強い臭い、発掘されたリアルな化石の展示、研究員が働いている様子などから、たくさんの学びがあり、満足する事ができました。

中国医学の先人達は、宇宙を観察する事で地球を理解し、その延長線上に、目に見えない体内の生命現象や代謝の法則を見出し、健康と長寿に役立ててきました。さらに「病は気から」という考え方を通じて、人間の悩みの根本的な原因と、治癒への道筋を示し、人類の進化に大きく貢献してきたのです。

私自身、中国医学の知識を身につけた事で、仕事や健康管理を自立的に行えるようになりました。

しかし、これからの子供達がどのように自立して行くのか考えると、AIへの過度な依存は気になります。これは現代教育の課題なのでしょうか、それとも私の杞憂に過ぎないのでしょうか?
2025-09-09