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科学とサイエンス
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中国語単語の中、もともと「科学」という言葉はないです。「科学」と言う言葉は、西洋文化を中国へ伝え時から誕生したと思います。1582年イタリアのイエズス会宣教師マテオ‐リッチ(Matteo Ricci)、明末の中国に渡り布教に努め、初めて西洋学術を紹介し、中国最初の世界地図「坤輿(こんよ)万国全図」を作りました。しかし、沢山の訳文でも、「科学」との単語は見つからないです。

実は、「科学」という言葉は和製漢字単語です。1874年、明治維新期の学者西周時懋(にしあまねときしげ)が、英語サイエンス(Science)を「分科の学」を訳して、略して「科学」との和製漢字単語を作りました。20年後、中国清末・民国初期の政治家、思想家梁啓超が訳した「日本図書の目録」の中、「科学入門」、「科学之原理」の書名で、「科学」という和製漢字単語を輸入しました。

当時、大陸代表するフランスの伝統の中、科学は広義的、自然科学と社会科学も含めます。しかし、イギリス、アメリカの伝統の中、科学は狭義の自然科学の代名詞、日本や中国の学者が、イギリスとアメリカの影響が大きいから、科学と言ったら、自然科学に偏ります。その影響が今まで、両国の政策と政治を支配しています。

その影響で、国を強くするには、科学が必要です。実際日本は、自然科学のおかげで経済大国になったのです。中国近代の急成長も、自然科学の躍進ではないでしょうか。

しかし、もっとも科学は自然科学と社会科学の両立で、簡単に理解すると理系と文系(陰と陽)の両立です。理系偏りと、社会も偏り、バランスが崩れるでしょう。

日本再生、中国の安定的な発展、自然科学と社会科学のバランス取れた科学の理解と実践が必要です。今まで、先輩の科学伝道師が自然科学に夢中になり、偏った世界になりました。社会科学の欠けた分野こそ力を入れて、良い社会を作るのは大事ではないでしょうか。

中国5000年の伝統文化、そのバランスが取れた科学の出番がいよいよあるではないでしょうか。
2013-01-13