陶氏診療院

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教育の目的と方法
教育の目的とは何でしょうか?

まず、自分自身への教育について考えてみます。教育を受けることで、未来への道が開かれます。そのときの希望としては、「好きなことを学ばせてもらえるなら嬉しい」という気持ちがありました。学校では好きな科目の成績が良かったものです。親からも「褒められたい、認められたい」という思いがありました。

私の子ども時代を振り返ると、兄弟より多く褒められ、認められたことを覚えています。そのため、幸せな記憶しか残っていません。しかし、大人になって兄弟と話すと、「自分はあまり褒められた覚えがない」と言われ、先生や親への不満があったことを知りました。

次に、自分の子どもに対する教育についてです。妻は“教育ママ”として、子どもが小さい頃から公文や学習塾、そろばん教室、ピアノ教室、英会話、プール教室など、忙しいスケジュールを組んでいました。

子どもが高校生になった頃、私は倫理法人会の倫理指導を受ける機会があり、子育てについても相談しました。朝倉スーパーバイザーからのアドバイスは「ほっといてください」でした。その言葉は私の心の声と一致し、息子の家庭教師を辞める決断をしました。

その後、二人の子どもはアメリカへ留学し、一人は帰国して診療院の跡継ぎとして修行中。もう一人はアメリカで就職活動をしています。

子どもの立場からすれば、まだ「理想の親」ではないかもしれませんが、大切なときに軌道修正できたことは良かったと思っています。

教育の目的は、子どもが「好きなことを見つけ、それに向かって進めるようにすること」だと思います。もちろん、親の希望も小さいうちに伝えられるならば、子どもの興味と一致すれば理想的です。

目的がはっきりすれば、次は「方法」です。昔は厳しく接してしまったこともあったかもしれませんが、基本的には「見守る」ことを心がけていました。今の子どもたちの姿を見ると、ある程度合格点かなと感じています。

厳しく叱ったり、責めたり、押さえつけるよりも、褒める・肯定する・認めることの方が、子どもの成長にはずっと効果的だと実感しています。

この考えは、私の診療にも生かされています。患者さんにとっての「教育」は、すなわち「診療」だと思います。患者さんの目的は明確で、「健康になること」です。そのためには、適切な方法を選ぶことが非常に重要です。

患者さん一人ひとりに個性があり、性格も体質も異なります。ですから、一つの方法では足りません。皆さん、身体や心に問題を抱え、それを解決するために診療を受けに来てくださっています。

西洋医学では対症療法に限界を感じた方々が、自然療法を求めて陶氏診療院に来られます。しかし、その理解度や期待値はさまざまです。そのため、患者さんの性格や病状に応じて、時に厳しく、時に優しく接しながら、結果を出すことを目指して27年間診療を続けてきました。

ここ数年、以前の患者さんが再び来院されることが増え、少しずつ新しい方も増えてきています。これは、現在の方法がある程度、評価されている証だと考えています。

成功事例が増える中で、時には強い口調で話すこともあります。常連の患者さんは慣れていても、初診の方には受け入れられにくいこともあるので、注意が必要です。実績があっても、新しい患者さんにとっては「すべてが初めて」です。

ですから、常に優しく丁寧な説明を心がけつつ、力強さも感じられる言葉や環境を整えることが大切です。

教育(=診療)の目的と方法を、私は毎日の仕事を通じて修行し続けています。
2025-05-30