陶氏診療院

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反ユダヤ主義の残響とポグロムの影響展を訪れて
アメリカ旅行四日目、ロサンゼルスのパン・パシフィック・パーク内にある「ホロコースト博物館LA」を訪れました。そこで開催されていた「反ユダヤ主義のエコー:ポグロムの影響」展を、一人でじっくりと2時間かけて見学しました。

展示ではまず、ユダヤ人の歴史が紹介されていました。第二次世界大戦前のヨーロッパにおけるユダヤ人の分布地図を見ると、ギリシャには2,239年前から、ハンガリーには1,900年前から、現在のウクライナ地域には822年前からユダヤ人が居住していました。しかし、人口に占める割合は1%から4.9%と少数で、ドイツではわずか0.8%でした。

ヒトラーは第一次世界大戦後の不況をユダヤ人のせいにし、それが後のホロコーストへとつながりました。展示会では、ヒトラーに協力した人々、反対した人々、そしてユダヤ人を救助した人々も紹介されていました。日本の杉原千畝の写真も展示されており、岐阜県出身のこの外交官が、ナチス・ドイツの迫害から逃れたユダヤ難民に対し、政府の許可を待たずに独自の判断でビザを発給したことが説明されていました。また、当時の中華民国が発給した中国語のビザの現物も展示されており、多くのユダヤ人を救った事実が伝えられていました。

展示の最後では、アメリカ人などによる救助活動と、生き延びた人々のその後の人生が紹介されていました。歴史を再認識するという意味で、非常に有意義な見学でした。

現代の若者たちは、なぜこのようなことが起こったのか、その歴史的背景や原因を理解しないまま、現在の情勢を正しく判断することはできないでしょう。機会があれば、歴史教育の一環としてこのような展示を見学することをお勧めします。

博物館は厳重な警備体制が敷かれており、玄関前には警察官が1人配置されていました。建物の周囲は鉄柵で囲まれ、午後5時の閉館時間には柵の錠が下ろされました。現在のアメリカ、特にロサンゼルスでは過激派の活動もあり、このような警備もやむを得ないのでしょう。博物館好きの私にとって、この見学は大変満足のいくものでした。
2025-05-19