陶氏診療院

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常識における「道」と「術」
「道」と「術」、あるいは「戦略」と「戦術」、「未来」と「現実」など、状況によって使い分けられる言葉があります。これらは物事を説明する際に役立ち、また「重要性」と「緊急性」の問題にも関わってきます。
それぞれの有無により、物事を四つのタイプに分けることができ、仕事の優先順位も自然と決まってきます。
だからこそ、常識の中における「道」と「術」を見分けることができれば、同じ常識であっても、実行すべき順番がはっきりと見えてくるのです。

たとえば、親が子どもを愛し、理想的な成長を願うのは、当たり前の常識です。

これを常識の「道」と捉えるならば、具体的にどのように成長を見守るかという「方法」は「術」となり、それは人それぞれ、千差万別なのです。

私たち家族では、毎週日曜日に「家族電話会議」を開き、子どもの教育について話し合っています。

あるとき、私と息子の話をきっかけに、弟が助言をしてくれました。

弟はこう言いました。「息子に対して、明確な指示を出し、一緒に協力して成功体験を作れば、息子の自信は大きく育つ」と。

弟は自身の経験を語りました。

三人兄弟の末っ子で、学生時代は成績が一番下でしたが、大学卒業後にエネルギー研究所に勤め、その後、叔父が経営する鋼鉄貿易会社へ転職しました。
そこでは全国から集まった200人の同業者を接待するという大きな任務を任され、完璧にやり遂げたことで、大きな自信を得たそうです。

この成功体験は、後に京セラの天津工場で働く際にも活かされました。

太陽光パネルの設置を担当し、日本から訪れた20名の来客をもてなすイベントを成功させ、その後、本部長の指示で技術担当に抜擢され、工場の品質を社内一位に押し上げることにもつながったのです。
小さな成功体験が、大きな自信を育てたのです。

弟の成功の背景には、常に社員のことを考える姿勢がありました。

職場の清潔を保ち、社員一人一人の小さな問題にも丁寧に向き合い、毎月2,000元(人民元)を自腹で社員の冠婚葬祭に充てるなど、モチベーションを高める工夫をしていました。

これにより、人間関係を円滑にし、品質向上に大きく貢献し、今では会社に欠かせない存在となっています。

世の中には健康に関する常識がたくさんありますが、「術」ばかりを強調し、「道」から外れていることに気づかない広告や「専門家の研究」も少なくありません。
これを見抜く力は、日頃の勉強と修養によって養われるものです。

常識の中の「道」と「術」、あなたは見きわめることができていますか?うまく活用できていますか?
2025-05-07