陶氏診療院

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人と金
人と金、どちらを選びますか。人によって、時と場合によって、その答えは様々です。

中国には「金は好きだが人は好きではない」という生き方は愚かであるという教えがあります。その真意を考えると、金は単なる物であり、使い切ればそれで終わりです。一方、人は生きている限り金を生み出す可能性があり、人を大切にすれば、結果として両方を得られるかもしれません。

仏教や儒教の影響が強い東南アジアでは、物より人を重んじる教育が根付いています。日中戦争後、多くの残留孤児が中国に取り残されましたが、現地の人々は彼らを育て上げました。これも「物より人」という精神の表れでしょう。

ユダヤの教えでは、金と親のどちらを選ぶかという問いに対して、金を選ぶという選択肢があることに驚かされます。これは宗教的な違いによるものかもしれません。このような思想の違いが、ユダヤ人が仏教や儒教の社会に溶け込みにくい理由の一つと言えるでしょう。

40年間医療に携わってきた私は、人と金について深く考えるようになりました。人と金は、無限の可能性と有限の世界の象徴です。私は無限の可能性に目を向け、前向きに生きることを選びます。私は人が好きです。自分の子供も、患者さんの子供も、診察に来る子供たちも、皆愛おしい存在です。子供たちの無邪気な笑顔からは未来を感じ、見ているだけで楽しくなります。若い頃は金に目が向くこともあるでしょう。しかし、その背後にある「人を愛する気持ち」を忘れなければ、いつか金も人のために使えるようになるはずです。
2025-05-25