陶氏診療院

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日本統合医療学会(IMJ)北海道支部会2
カテゴリー 講演会
第14回日本統合医療学会(IMJ)北海道支部会、特別講演1は、東海大学名誉教授西村弘行氏の「食と医の連携で生活習慣病予防と道内経済活性化」は、今回学会のテーマ「食と医」に一番相応しいです。

西村先生、1974年北海道大学農学部博士号獲得、農学部の特徴である生物学の視点で、生命と食(栄養)を研究、また起業され、北海道の農業、食文化、経済発展の貢献に尽力されています。

医学の栄養学は、生理学中心、生命の生理専門研究の科学で、病理の研究により、治療の専門家です。農学の栄養学は、生物学の観点で、生命への応用科学、人々の健康づくりの専門家です。

一般の人は、西村先生の栄養学が聞きやすくて、生活にも取り入れやすいです。例えば、北海道特産の滋養強壮剤行者ニンニク、美味しいけれど、ニンニクの臭い後味が、沢山の人々に敬遠されました。先生の研究では、料理の工夫をすれば、臭いをなくし、美味しく栄養価地も上がり、一石二鳥より、「三方良し」のレベルに至ります。その方法は、低温処理の行者ニンニク、ビタミンB1が高含有食材(卵・豚肉など)と一緒に調理して、行者にんにくは美味しく食べられます。

西村先生は、2011年日本の国民医療費が37兆円、毎年一兆円の速度で上回りを懸念し、第二次世界大戦の食生活の問題を指摘しました。それは、肉類、牛乳、鶏卵の供給の普及により、高カロリー、高たんぱく質、高脂肪な食事の変化、さらに高度経済成長期の到来により、インスタント食品やレトルト食品の増加し、料理に手間のかかる野菜や藻類などの摂取が減少しました。現在の日本人は体格の向上、平均寿命の伸長と同時に、高脂血症、高血圧、高血糖により、動脈硬化・糖尿病などの生活習慣病により、医療費の増加の一因として、改善しなければならないです。

西村先生は現在の医療と経済の問題に、出した処方は日本の食文化の回帰です。日本古来の食材には食物繊維が豊富、玄米、胚芽米、麦、豆類、野菜、きのこ、藻類、いも類など、動物性食材のトップは魚類(EPA、DHA)など、日本の食事が、現代研究用語で言うと、コレステロール低減、中性脂肪低減、降圧効果、便秘改善、肥満改善です。

西村先生が提出した食品の持つ、三つの機能性が、とても分かりやすいです。

一次機能:タンパク質(アミノ酸)、脂質、炭水化物、ミネラル、ビタミンなど生命維持に必須な栄養機能

二次機能:色、味、香り、テクスチャー(歯ごたえ等)のような嗜好性に関わる感覚機能

三次機能:生活習慣病予防に関わる生体調節機能

さすか農学部出身、生物学の観点から見た食品の全体図です。

西村先生の講演、今回の学会内容「食と医」が、高いレベルで、統合医療の意義を説明し、これから北海道、又は日本の統合医療の方向へ導きます。
2012-10-21