陶氏診療院

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中国医学とノーベル生理学・医学賞
カテゴリー 講演会
2025年6月1日、札幌大学図書館Swingにて、「端午漢方講座&交流会:中国医学とノーベル生理学・医学賞」を開催いたしました。

2015年から2017年にかけての3年間、中国医学に関連した研究が連続してノーベル生理学・医学賞を受賞しました。2000年前の中国医学が、現代の最先端科学の舞台で脚光を浴びたのです。しかし、中国医学にあまり馴染みのない方々には、「中国医学とノーベル賞がどう関係しているのか」と疑問に思われるかもしれません。

伝統医学は、人と自然、あるいは人と太陽との関係を深く理解し、健康的な暮らしを支えてきました。こうした知恵は、人類が700万年にわたって進化してきた背景にある重要な力でもあります。一方で、現代の病気が増えている大きな原因のひとつは、私たちの生活が自然から離れ、不自然になってきていることにあります。

たとえば、冷凍庫のない時代には、冷凍食品などは存在しませんでした。ところが現代では、家庭用冷蔵庫の冷凍室の数も増え、中にはバラバラに解体された動物の肉が保存され、それが日々の食卓に並びます。しかし、空腹の動物に生の食材と冷凍食品を並べて与えると、彼らは冷凍食品を無視することが分かっています。理由は彼らにしか分かりませんが、「冷凍されたものは食べない」というのは動物の本能なのかもしれません。

中国医学の考え方の一部が、現代医学の最高の栄誉であるノーベル賞に結びついたという事実は、中国医学がいかに先進的な思想を持っていたかを示しています。これからは、もっと中国医学を学び、日常生活に応用していくべきだと考えます。

講演の後には、交流会「中医学と健康的なライフスタイル」も開催されました。質問が次々と寄せられ、参加者の皆さんが日々の生活の中で抱いていた疑問を一つひとつ確認し、解決の糸口を見つけていきました。中にはすぐに納得できない回答もあったかもしれませんが、そうした答えも、時間をかけて身体で感じていただけるものだと思います。

牛乳より豆乳、肉より豆類——。食事を見直すきっかけとして、少しでもお役に立てたなら幸いです。皆さんの食生活が少しずつ変わっていくことを期待しつつ、またお会いできる日を楽しみにしております。たくさんのご参加とご声援に、心より感謝申し上げます。
2025-06-02