陶氏診療院

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一葉知秋と一葉障目
カテゴリー 生活の知恵
中国のことわざに面白い正反対の意味する例えがあります。それは一葉知秋と一葉障目です。

【一葉知秋】いちようちしゅう、一葉落ちて秋を知るの四字熟語です。身近なところで起こる僅かな前兆から、遠い将来に起こる大きな出来事を察知することをいいます。

西洋医学では、患者さんの血液を採取し、そのわずかなデータ(一葉)から全身の状態(秋)を診断します。この方法がうまくいく場合もありますが、ところがすべてが科学的に正しいわけではないです。

【一葉障目、不見泰山】いちようめをおおえば、泰山をも見られないです。局部的・一時的な現象に目を奪われて大局・本質を見極められないです。

患者さんの一つの症状だけに注目し、本質的な原因を捉えないまま診断や治療を行うことは、かなり身体が示している症状の意味を無視してしまうことになります。よく見られる風寒による風邪では、最初に鼻水や微熱、頭痛やだるさなどの症状が現れます。頭痛やだるさは寒気が身体の経絡に詰まった症状です。寒気を追い出すために、鼻水(寒気の具現化したもの)や発熱で対処しようとします。中国医学の対症法は、風邪を引いた際には、寝る前に熱いお風呂に入り、生姜湯を飲み、余裕があれば背中に漢方精油でカッサを行うことで、朝3時から5時にかけて汗をかき、翌日スッキリした身体に戻ります。しかし、西洋医学では、一つの症状に基づいて不必要な薬を処方し、身体本来の自己治癒力を抑えてしまうことで、風邪が長引くことになります。

「一葉知秋」と「一葉障目」は、とんでもない認識、西洋医学が身体を理解する際に不思議な問題を説明するのに適した表現です。この問題を解決するためには、「治病求本」「治病救人」という中国医学の考え方を取り入れ、身体の直感を理解し、症状を把握したデータではなく重要な情報として深く読み取り、正しい医療を求めることを望んでいます。
2024-10-17