陶氏診療院

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がん予防とは何でしょうか? 〜子供時代の新聞記事の記憶〜
診療院は今年で27年目に入りました。10数年前に通っていた患者さんたちが、また続々と戻ってきています。ある日、息子と朝食をとりながらその話をしていたとき、ふと思いました。

「そういえば、ずっと診療院に通っている患者さんで、陶氏療法を受けて、がんになったという話は聞いたことがないな」と。

もちろん、診療院に来られた患者さんの中には、すでにがんと診断されていた方もいらっしゃいます。割合で言えば、全体の約3分の1くらいでしょうか。中には初期の方も、末期の方もいました。そして、良くなって通院を続けられていた方も多くいました。

しかし、現在は「二人に一人ががんになる」と言われている時代です。そう考えると、残りの三分の二の患者さんが長く診療院に通っている間に、がんを発症してもおかしくないはずです。それにもかかわらず、「通っているうちにがんになって来られなくなった」という話を、私は記憶していません。

これは本当なのかどうか、確かめてみたくなりました。

ぜひ息子にお願いしたいことがあります。それは、診療院が30周年を迎える記念の時に、統計データを出してもらうことです。年代別、性別、長期通院している患者さんの人数、喪中はがきを参考に寿命を算出してみたらどうでしょうか。もし、同年代の一般的ながん発症率よりも低いことがわかれば、それはとても素晴らしい成果です。

さらに言えば、私の両親もその証です。ほぼ30年間、私の施療を受けてきた父は今年91歳、母は88歳になりますが、二人ともとても元気に過ごしています。

私は中学生の頃、中国で発行されていた新聞『参考消息』に載っていたある記事を今でも覚えています。それはアメリカの研究報告で、「東洋の伝統的な背中への施術によって、全身の免疫力が向上し、健康維持に役立つ」と紹介されていました。
当時、「面白いな」と思った程度で、まさか将来その内容が自分の人生の仕事になるとは夢にも思いませんでした。

今になって思い返すと、あの記事は私の考え方に大きな影響を与えていたのかもしれません。若い時の情報が、どれほど人生に影響を与えるかは計り知れない——そう考えると、少しぞっとします。

だからこそ、子どもたちに薦める本や記事は、慎重に選ばなくてはならないと思うのです。
2025-04-22