陶氏診療院

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第400回「舞劇『朱鷺』-Toki-」
4月8日、駐札幌総領事館と創価学会の招待により、札幌文化芸術劇場hitaruで、MIN-ON主催の上海歌舞団による舞劇『朱鷺』-Toki-第400回公演を鑑賞しました。

「舞劇(ぶげき)」とは、バレエや民族舞踊など、様々な舞踊表現を組み合わせ、台詞を使わずにストーリーを展開する、中国発祥の舞台芸術です。上海歌舞団は数多くの舞劇作品を創作しており、2005年には「舞劇『覇王別姫』〜ある愛の伝説〜」が日本公演を行いました。今回の「舞劇『朱鷺』-Toki-」は2度目の日本公演となります。

「幸せをもたらす鳥」として親しまれてきた朱鷺(トキ)。自然の恵みを分かち合いながら、人間と朱鷺は長きにわたり共生してきました。

舞劇『朱鷺』は、日本にもゆかりの深い鳥・朱鷺と人間の青年との儚い愛の物語を描いています。朱鷺の仙女・潔と村の青年・俊が出会い、やがて恋に落ちます。しかし、人間の世界で生きていくことができない潔。潔を守ろうとする俊の葛藤が、さまざまな舞踊表現で展開されていきます。

2部構成の第1部では、潔と俊の出会いから芽生える愛を、ふたりのダンスと24羽の朱鷺たちの群舞で鮮やかに表現しています。一方、第2部では、環境破壊が進んだ世界をモノクロで表現し、コンテンポラリーダンスを中心に、息絶えそうな潔の苦しみと、必死に助けようとする俊の苦悩、そして訪れる悲しい結末が描かれます。

時が流れ、現代の博物館。そこに現れたのは老人となった俊でした。展示ケースに納められた朱鷺の中から、永遠の恋人である潔を見つけ出します。俊によって思い出の白い羽根を付けられた潔は蘇り、ふたりは手を取り合います。まるで千年の約束を果たすかのように、互いを慈しみ合うのでした。

エピローグでは、博物館に残された年老いた俊の手に、あの美しく柔らかい白い羽根があります。二人の愛情と調和への祈りが込められたその羽根は、俊の手から、未来を担う学生たちへと受け継がれます。

博物館を出た学生たちが、都会から郊外の自然へと向かうと、視界には朱鷺の群れが。清らかな大自然の中で、気品を漂わせながら美しく舞うのでした。

ダンサーは中国国家から認められた一級ダンサーたち。主演の周暁輝さんと梁鑫さんは、特に洗練された舞で観客の心を掴みました。朱鷺を表現する独特で繊細な首や指の動き、壮観な群舞、優れた身体能力から生まれる迫力のダンス。美しい衣装、物語の世界に引き込む音楽、心に響くストーリー...。

上海歌舞団の舞劇は、すべての芸術表現が見事に融合された世界観で、再び日本でその魅力を蘇らせました。
2025-04-11