陶氏診療院

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西遊記の人物説明②
もともと花山亭主であった孫悟空は、安易な生活を送っていました。しかし、時間が経つにつれて不満が生まれ、外へ修行に出かけます。彼は「霊台*方寸*山斜月三星洞」(漢字の「心」を写意した詩)に辿り着き、そこで自ら修行を始めます(自信悟空)。

孫悟空には師匠がいません。仮に師匠がいたとしても、その名前は仏教の「菩提」であり、小説の中では道家の人物として描かれています。しかし、その意味は仏教でも道教でもありません。孫悟空の師匠は誰でもよく、名前を言う必要もありません。そのため、「須菩提」(名前を言わない中国語の発音)という名前が付けられました。

修行を終えた孫悟空は、海底で「定海神針」を手に入れ、山で多くの友人と出会い、さらに陰間で自分の生死簿から名前を消し、陰陽を貫通します。しかし、それでも物足りず、上空へと上がります。心は天よりも高いと言われています。上空は人間界よりも優れており、そこで「弼馬温」という地位の低い職を与えられます。これに不満を感じた孫悟空は「翻天」(造反)し、天兵天将を相手に戦います。初戦で「巨門神」を倒し、次に三頭六臂の哪吒(なた)も孫悟空に敗れます。その結果、四海三山の妖魔鬼怪(モンスター)たちが降伏に来ます。その中で、独角鬼王が先頭に立ち(これは鬼の始まりを暗示し、発心が正しくないため良い結果はない)、孫悟空に「斉天大聖」という称号を提案します。「斉天大聖」という名前は、孫悟空自身の考えではなく、鬼の考えであり、鬼の膨張心理を暗示しています。

その後、「斉天大聖」の旗の下、牛魔王は「一善大聖」、彭魔王は「飛天大聖」、熊魔王は「倒海大聖」と名乗ります。玉皇大帝はこれを見て驚き、聞いたことのない「聖天大聖」という名前を耳にします。しかし、太白金星が傍で慰め、「小猿は悪魔になったが、『有官無禄』(無報酬の官名だけ)である」と述べます。玉皇大帝は「聖天大聖」を認め、さらに「安静司」と「寧神司」という二つの部署を設置します。玉皇大帝の目的は一目瞭然です。

中国文化には「非淡泊無以名志、非寧静無以致遠」(淡泊でなければ志を立てられず、静かでなければ遠くまで到達できない)という教えがあります。しかし、孫悟空は全く心を落ち着かず、蟠桃園で暴れ、蟠桃会で暴れ、老君炉を転倒し、天宮で大暴れします。

その結果、西天佛祖の掌によって孫悟空は五行山の下に押さえつけられます。西天佛祖の五本の指は五行山となり、孫悟空は500年間監禁され、頭だけを出すことが許されます。食べることも動くこともできず、山神が監視しています。

この物語は、儒教の修行方法を表しています。「天將降大任于斯人也、必先苦其心志,労其筋骨,餓其体肤,空乏其身,行拂乱其所為,所以動心忍性,曾益其所不能。」(天が大任を人に降ろすときは、必ずその心志を苦しめ、筋骨を労わせ、体膚を餓えさせ、身を空乏させ、その行いを乱す。それによって心を動かし、性を忍ばせ、そのできないことを増やす。)

*霊台、方寸は心を意味します。

*「佛在霊山莫遠求、霊山只在汝心頭、人人有個霊山塔、好向霊山塔下修。」(仏は霊山に遠く求めず、霊山はただ汝の心の中にあり、人人が霊山塔を持ち、霊山塔の下で修業せよ。)
2025-03-27