陶氏診療院

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戦略と戦術と日本の未来
来日して32年、日本の政治を見ていると、戦前の日本政府と同様に戦略が軽視され、戦術が重視される傾向があると感じます。その影響は、日本の国力の浮き沈みに直結しています。

戦前の日本は、戦略の誤りによって敗戦を迎えました。戦後80年が経った今も、国家づくりの戦略はアメリカの影響を受け、十分な反省すらできない状況が続いています。その後、日本再生に尽力した田中角栄元総理は、アメリカにとって不都合な政策を進めたために失脚しました。当時、日本国民の間に彼を守る力がなかったことが一因です。そして今、田中元総理の思想を継ぐ可能性のある石破氏が総理になろうとしており、彼もまた全力で努力するつもりでしょう。しかし、田中元総理と同じ運命を辿るのではないかという不安も感じられます。

せっかく日本のために尽力する政治家がいても、国民の支持が十分でなければ、安定した政策を実現することは困難です。それが経済に悪影響を及ぼすのは避けられません。コロナ禍を経て、ようやく観光業を中心に経済が回復しつつある今、政治の混乱が日本の未来を再び不透明にしてしまうのではないかと懸念しています。特に、戦術的な視点のみで判断を下すマスコミの報道は、国民の正しい方向感覚を失わせ、日本の将来をさらに危うくする可能性があります。

戦略と戦術の重要性が逆転することは、日本の近代史の特徴の一つになりつつあるのかもしれません。日本人の先祖が持っていた知恵と信念を、私たちはいつ取り戻せるのでしょうか。その答えが、私の人生の中で見えてくることを願っています。
2025-03-18