陶氏診療院

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西遊記の人物説明①
中国の国語大師である金海峰先生によると、西遊記の人物説明は非常にわかりやすく、中国文化の真髄を濃縮したものだそうです。西遊記の人物と物語は、大師の解説を聞くことで、多くの疑問が解けるとされています。

最初の質問:西遊記における玄奘三蔵(唐僧)の一行は何人か?

答えは、唐僧ただ一人です。他の登場人物は、唐僧の主観的な願望を象徴する存在です。唐僧は修行の主体であり、宿主です。他の随行者たちは、宿主に付随する主観的な要素を表しています。

孫悟空は唐僧の「心」を象徴します。

白竜馬は唐僧の「意」を象徴します。これは中国語で「心猿意馬」、日本語で「意馬心猿」と呼ばれる状態の現実版です。

猪八戒は「性」を象徴します。

沙和尚は「情」を象徴します。中国語では「戒性和情」、日本語では「性戒(しょうかい)」と「調和」と表現されます。

修行の方法は、「由繁入簡」(複雑から簡単になる過程)であり、「意馬心猿」の状態をコントロールし、さらに「性戒」と「調和」を目指します。修行の第一歩は「正心」です。次に「誠義」を重んじ、「正心誠義」によって「意馬心猿」をコントロールします。「三心二意」(中途半端なこと)は避けなければなりません。

孫悟空の猿顔の意味

孫悟空の猿顔は、漢字の「心」や「心臓」の原型を表しています。桃の形をしており、心房や心室、大動脈も表現されています。これは「心」の漢字の象形であり、猿の顔として描かれています。西遊記における孫悟空の描写の意味も、これによって理解できるでしょう。

長編小説『西遊記』は、明朝末期の王陽明が提唱した陽明心学の表現形態でもあります。何事もまず心に問いかけることが重要であり、「治行合一致良知」という解釈がその根底にあります。

西遊記の三部構成

西遊記は三部構成で成り立っています。

鬧心(心の乱れ):孫悟空が天宮で大暴れする「孫悟空大鬧天宮」。

定心(心の安定):如来仏の手によって五行山の下に500年間監禁される。

修心(心の修練):500年後に唐僧に救われ、西天取経の旅に出る。

西遊記は、心の乱れから安定へ、そして修練へと至る心の旅を描いた物語なのです。

*『西遊記』は中国古典四大名著(すなわち『紅楼夢』『西遊記』『水滸伝』『三国志演義』)の一つであり、不思議な物語がいっぱいの楽しい冒険物語です。
2025-03-26