陶氏診療院

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睡眠の陰陽
カテゴリー 中国医学
睡眠は人生の約3分の1を占める重要な要素です。しかし、当たり前のものとして軽視される一方で、悩みの種となることもあります。

軽視される理由は、誰もが自然に眠るものであり、特に教わる必要がないからです。それでも、睡眠が重要であることを知らない人はいません。
一方、悩みの種となる理由には、睡眠時間、入眠時刻、睡眠の質などの問題があります。これらが原因で人生に挫折を経験することもあるでしょう。現代社会では、成人の30~40%が何らかの不眠症状を抱えており、その傾向は特に女性に多いとされています。日本では成人の約5%が不眠のために睡眠薬を服用しており、睡眠問題は「国民病」ともいわれるほどです。

私が長年診療してきた患者さんの中でも、9割以上が睡眠に関する問題を抱えていました。「入眠障害」「中途覚醒」「早朝覚醒」など、さまざまなタイプがありますが、最も多い問題は入眠時刻に関するものです。

昼間は交感神経が優位になり、身体は活動のために使われます。その活動を支える基盤は、睡眠中に副交感神経が働くことで整えられます。睡眠時間そのものも重要ですが、何よりも、どの時間帯に眠るかが最も大切なのです。

中国医学の視点
中国医学では、良質な睡眠の条件として「安心」と「安神」が挙げられます。これが睡眠の「陽」です。そして良い睡眠を得るためには、正しい睡眠時刻の理解が必要です。動物を観察すると、「日が昇れば活動を始め、日が沈めば休む」という自然なリズムに従っています。

「子午流注(体内時計)」によれば、**造血の時間(19:00~1:00)と臓血(血を蓄える)の時間(1:00~3:00)**は、睡眠すべき時間とされています。この時間帯に身体を横にし、目を閉じ、照明を消すことが良質な睡眠の三大要素です。これが睡眠の「陰」となります。

また、中国医学では「過午不食(午後以降は食べない)」という生活習慣を守ることを推奨しています。この教えを意識し、子午流注の意味を理解することで、睡眠の陰陽を調和させ、「入眠障害」「中途覚醒」「早朝覚醒」などの問題を簡単に克服できるでしょう。

あなたは、睡眠の陰陽を理解していますか?
2024-12-06