陶氏診療院

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病は気から
カテゴリー 中国医学
「病は気から」は、中国語の「病由心生」に由来することわざです。「病気は心の持ちようによって良くも悪くもなる」という意味で、気の持ち方や精神状態が健康に大きな影響を与えるという考えを表しています。この概念は東洋の知恵として広く知られており、東洋人なら誰でも自然に理解できるものです。その理由は、「気」という概念が私たちの文化に深く根付いているからです。

例えば、病気、冷気、熱気、霊気、勇気、元気、運気、天気、磁気、電気、陰気、陽気など、「気」に関する言葉は非常に多く存在します。このように、「気」という概念は単なる抽象的なものではなく、私たちの日常生活や健康に密接に関わっています。

これは古くからの経験則に基づいた言葉であり、西洋医学でもストレスや精神状態が健康に影響を与えることは認識されています。しかし、西洋医学では「気」という概念自体を用いていないため、これを適切に説明することができません。ストレスや精神状態という言葉で説明されることはあっても、「気」の本質的な理解には至っていません。

「病は気から」という言葉の通り、病気の始まりは「気」から生じます。しかし、西洋医学では「気」の段階ではなく、その結果として現れた症状や疾患に対処します。つまり、「気」が体に影響を及ぼし、症状が出てから治療が始まるのです。これは俗に言う対症療法に近く、症状の改善はできても、病気の根本的な原因を解明するのは難しいこともあります。

一方、中国医学は「気」を中心とした哲学に基づいています。「気」の存在や働きを理解し、それに基づいて治療を行います。身体の五臓六腑にはそれぞれ特有の「気」があり、気の発生・運行・代謝・バランスを調整することで健康を維持します。特に感情の「気」は内臓にも影響を与え、喜怒哀楽が健康状態を左右することが知られています。

例えば、

喜びは心臓に影響を与え、喜びすぎると心筋梗塞を引き起こすこともあります。逆に、喜びが足りないと「心気」が沈みます。
悲しみは肺に悪影響を与え、長期間の悲しみは肺の気を弱め、うつ病になりやすくなります。タバコの害も肺を弱める要因で、鬱傾向になりやすいです。
怒りは肝臓に影響し、肝臓が悪くなると怒りっぽくなり、逆に怒りすぎると肝臓に負担がかかります。
恐怖は腎臓に影響し、腎臓が弱ると不安や恐怖が増します。
考えすぎは脾臓に悪影響を与え、脾臓の機能が低下すると、思考力が鈍くなり、良いアイデアが浮かばなくなります。
五臓六腑と五情(喜怒哀楽)はそれぞれ密接に対応しており、さらに五臓六腑の「相生相克」の関係を利用してバランスを整えることで、健康を維持することができます。

「気」の概念を理解しなければ、中国医学を学ぶことも、身体の本質を知ることもできません。したがって、健康を維持するためには、まず「気」について学ぶことが大切です。

「気」を一言で表すなら、それは「エネルギー」です。量子力学の視点から見ると、気にはプラスとマイナスの側面があり、中国医学ではこれを「陰陽」と表現します。世の中のすべてのものは「気」によって成り立ち、生命の始まりは「生気」、終わりは「死気」となります。このように、「気」を理解することは、中国医学を学ぶ上で非常に興味深いものとなるでしょう。
2025-04-04