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新渡戸稲造と札幌農学校①
カテゴリー 日本
札幌ユネスコ協会の2013年度ユネスコ講演会が、11月16日、札幌市内ホテルで開催されました。

北海道大学名誉教授藤田正一氏が「新渡戸稲造と札幌農学校」と言うテーマで、知るべきことを知らない皆さんに講演して、とても勉強になりました。

自分の二年前、同じユネスコ講演会の講師として、講演後入会して、国際交流研修委員会に所属し、今回講演内容もとても期待して聞きに行きました。

講話は「このひとだれ?」、旧日本紙幣五千円札の人物像から始まります。名前が「新渡戸稲造」氏と言えば知っているかもしれないけど、中身がほとんど知らないのは事実です。

藤田講師のスライドに書かれた内容を見ると、「新渡戸稲造:戦前・戦後を通じて、国際舞台で最も活躍し、世界から最も敬愛された日本人、農学博士、法学博士、日本三大英文家の一人、{武士道}の著者、国際連盟事務次長、ユネスコの前身・国際知的協力委員会創設、オーランド紛争における新渡戸裁定、台湾の製糖業に貢献、札幌農学校、京大、東大教授、第一高等学校長、東京女子大学学長、新渡戸文化学園長など」と書かれ、凄い人と驚きました。

なぜそんなに偉い人、国際有名人な日本人をあまり知らないのか、藤田先生が国から意図的な影響があると言いました。その理由が札幌農学校(今の北海道大学)の精神と関係があります。

戦前開校された札幌農学校と東京大学、それぞれの教育方針(教育思想)が違います。札幌農学校はクラーク博士の自由・自主・独立の精神で、民主主義を主張し、「重要とすべきは国民が第一」です。東京大学は国家主義教育です。(国家主義とは「国家をすべてに優先する、至高の存在、あるいは目標と考え、個人の権利・自由をこれに従属させる思想」『大辞林』三省堂)。

民主主義を主張する新渡戸稲造先生が日本国民にあまり知られていないことが、藤田先生の講演で少し理解できました。でも、今、必要なことは、もう一度、新渡戸稲造先生の考えを理解することが必要ではないでしょうか。
2013-11-18