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植物プランクトンの救世主:二価鉄②(FFCパイロゲン)
カテゴリー 陶氏療法
しかし、南極海などのHNLC海域*では鉄の不足が植物プランクトンの生産を制限され、海の生物が植物プランクトンを求めるため、大移動します。暖かい海域で生まれた鯨の子供、寒さが少し耐えるまで成長したら、食べ物を求めるため、メキシコ沖からクジラ親子が北上し、北米アラスカ沖に浮かぶアリューシャン列島へ、4万頭のクジラとシャチ群団がわずか10キロの海峡に集結し、目的は世界一と言われる豊饒の海(大量のオキアミ発生)でした。それは安定した微量金属元素鉄があるからです。

酸素と出会い、鉄は三価イオンになる時、一番安定して、酸化鉄が海の底に沈み、海水にほとんど溶けないです。そのHNLC海域に鉄撒布実験したら、植物プランクトンの増加は確認されたことで、鉄、特に水溶性の二価鉄は植物プランクトン生成の救世主とも言えるでしょう。

日本の海岸一時、植林を伐採して、海に流れる二価鉄含む腐葉土の水がなくなり、磯焼けで岩が白になり、海藻、コンプ、魚も無くなりました。小樽も80万トンニシンの漁獲が今はなくなり、小樽の観光地で食べたニシンは全部ロシア産でした。えりも漁業協同組合1953年から、国家事業として、岬周囲の緑化事業を続け、40年以上の努力により、安定した鉄分が入った水が海に流れ、年間海産物九十億円の漁業を復帰しました。植物が水に溶けない三価の鉄イオンが水に溶ける、生物利用できる二価鉄イオンに還元し、植物プランクトン発生するキーワードになりました。

*HNLC海域(エイチエヌエルシーかいいき)とは表層に多量栄養塩(硝酸塩・リン酸塩・ケイ酸塩)が高濃度で存在するにもかかわらず、植物プランクトン生物量が比較的低い状態が維持されている海域のことである。
2013-12-08