陶氏診療院

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果物の成熟と美味しさから
カテゴリー 生活の知恵
お歳暮に「山形果物の女王」と称される「ラ・フランス」(洋ナシ)をいただきました。

洋ナシは成熟するとすぐに食べないと溶けてしまう印象がありました。そのため、翌朝さっそく食べてみたのですが、硬くて甘みも感じられません。不思議に思って箱を確認すると、中に1枚のチラシが入っていました。そこには手書きで、「シール付きは11月16日頃、シールなしは11月22日頃が食べ頃」と書いてありました。食べたのは14日で、手に取ったのはシールなしの洋ナシだったのです。この説明で疑問が解け、「なるほど」と納得しました。

16日に、シール付きの中から指で軽く押して柔らかくなった洋ナシを選び、食べてみました。すると、「高貴な香りと滑らかな舌触り」、果肉は緻密で柔らかく、多汁で甘さが際立つ絶品の味でした。息子と一緒に堪能し、満足感を味わいました。前日食べた未熟な洋ナシとここまで違うとは驚きであり、前日の1つが少しもったいなく感じられました。

食べ物には食べ頃や旬があります。それを守れば本来の美味しさを実感できますが、ずれると魅力が損なわれてしまいます。特に果物において、旬の重要性を改めて感じました。

さて、「旬」とは食べ物だけに限った話ではありません。人にもそれぞれの「旬」があります。例えば、学生時代の青春の旬、学校を卒業して社会に出たばかりの頃青年の旬、今の中年の旬、そしてこれから迎える高年の旬。それぞれの時期に応じて「旬」の味わいを出すために、できることややるべきことをしっかり理解して取り組めば、後悔のない人生を歩めるのではないでしょうか。

孔子の『論語』(為政編)には次のような一節があります。



子曰く、吾れ十五にして学に志す。三十にして立つ。四十にして惑わず。五十にして天命を知る。六十にして耳順がう。七十にして心の欲する所に従って、矩を踰えず。
これは、15歳で学問に志し、30歳で自立し、40歳で迷いがなくなり、50歳で天命を悟り、60歳で人の話を素直に聞けるようになり、70歳では心の思うままに行動しても道を外れない、という意味です。

果物の美味しさについて考えているうちに、人生にも「旬」があることに気づきました。果物と人生、どちらもその時期に応じた味わいを大切にすることが肝心だと感じます。
2024-11-27