陶氏診療院

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死亡率と肥満度&睡眠時間
11月2日、第31回日本未病学会学術総会にて、スタンフォード大学睡眠研究センター長である西野精治先生(医学部精神科)の海外招請講演「睡眠と免疫」が行われました。

西野先生の講演では、古いデータも含めて、男女ともに睡眠時間が短すぎる、あるいは長すぎる場合、また痩せすぎや肥満のいずれにおいても死亡率が上昇することが示されました。また、夜型の生活スタイルに関しては、科学的に有効性を裏付ける根拠がないと説明されました。

これまで浅い認識で捉えられていた睡眠は、脳の解毒や免疫との深い関係があることが明らかになっています。新型コロナウイルス感染症による死亡率の分析では、無呼吸症候群の人々が高い死亡率を示すことも分かりました。

現代の精神疾患、アルツハイマー型認知症、さらにはスポーツ選手のパフォーマンスに関するさまざまな研究でも、睡眠の重要性が示されています。日本は先進国の中で睡眠時間が短い傾向にあり、「睡眠負債」という言葉が流行語大賞にも選ばれるほど、大きな問題となっていますが、改善の兆しはまだ見られていません。多くの研究が発表されているものの、医学的に睡眠問題を解決する具体的な方法はほとんど存在せず、社会的な対応が求められているのかもしれません。

最適な睡眠時間は7.2〜8.4時間とされていますが、もう一つ重要な課題があります。それは、最適な睡眠時間帯についての研究や指摘がほとんど行われていないことです。

中国医学では、最適な睡眠時間帯は夜7時から朝3時までとされており、その時間帯に造血や蔵血が行われると考えられています。もし西洋医学がこの理論を証明できれば、またノーベル医学賞に値する発見となるかもしれません。
2024-11-05