陶氏診療院

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傷寒論と風邪の対応
中国医学では、病気は外因、内因、不内外因の三つに分類されます。張仲景の「傷寒論」は外因論に基づく重要な書物で、病気の発症から身体の反応、治療法に至るまで詳細に述べられており、今でも参考にされる価値のある医学書です。

「傷寒論」における太陽病(体表の病)の論述は、病気と身体の仕組みを見事に説明しています。太陽経は外邪を受ける経路であり、ここで病気が始まります。太陽病の段階で適切に治療すれば、病気は進行せずに治まります。しかし、太陽病を放置すると、次に陽明病(胃腸の内臓の病)に進行します。陽明病は致命的ではありませんので、適切に治療すれば大きな問題にはなりません。実際に人生の中で陽明病になったとしても、命に関わることはほとんどありません。しかし、陽明病を治療しないと、少陽病、太陰病、少陰病、厥陰病と進行し、最終的には命の危険に至ることもあります。

病気の進行と対応についての詳細な理解が可能であり、それぞれの段階に応じた処方も明確に示されています。これが現在の「傷寒論」に基づく経方であり、外因による病気の治療が簡単になります。

先日、札幌の夜に気温が20度を下回り、薄着で遅くまでパソコンの前で仕事をしていたため、寒気を感じました。夜中に布団が飛ばされ、寒さで目が覚めることもありました。翌朝、足が重くて痛むように感じ、その後寒気が出ました。これは寒邪を受けた症状です。寒邪がまだ太陽経に留まっているため、寒邪を追い出さない限り、症状は抑えられません。できれば、漢方精油でカッサをするのが最も効果的ですが、その日にはその手段がなかったため、すぐに生姜湯を飲んで、水素吸入をしました。これをそれぞれ三回ずつ行うと、夕方には楽になりました。しかし、夜外出して会議をした後、再び寒気が出たため、帰宅後すぐにお風呂に入り、再度生姜湯を飲んでから寝ました。通常は裸で寝ますが、生姜湯を飲むと朝方に汗が出るため、パジャマを着て寝たところ、朝方にしっかり汗が出ました。目覚めたときには完全に回復していました。

「傷寒論」の学びと実践を通じて、中国医学の素晴らしさを日々実感しています。
2024-08-24