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考えよ、語ろう、食のこと
カテゴリー 日本
6月16日、倫理文化研究センター主催の倫理研究フォーラムin札幌「考えよ、語ろう、食のこと」を参加して、大変勉強になりました。トータルコーディネートを務めるのは一般社団法人倫理研究所理事長丸山敏秋先生です。

第一部研究発表は、寛ボルテール氏、1967年フィリピンセブで生まれ、31年前から来日、教育心理学を勉強し、博士課程は異文化コミュニケーション学です。無形文化遺産や和食、茶道などをキーワードに、日本伝統文化と現代社会との係わりを中心に研究し、「万人幸福の栞(JOY FOR ALL)」の英語訳もしている方で、外国から来た人(寛さんは現在日本に帰化した)から見た和食を「知られざる和食ー和食とは何かー」のテーマで発表しました。

フォーラムのテーマとちょっと離れた発表は、残念でした。和食の内容も、最後まで、曖昧なままで、日本からの和食定義とユネスコ2013年無形文化遺産認定した説明と違いがあり、「和食」の具体的な料理の説明の求めと無形文化遺産を認定する文化、伝統的な要素に、温度差があり、外国人が理解する「和食」と日本人が認める「和食」を一緒にするのは、説明が不能でしょう。

話の中、「ラーメン」と「カレー」の話題があり、「和食」になるかどうかも、議論の余地があります。日本国内で食べる日本向きのラーメン、カレーは「日本料理」と言えるかもしれないけど「和食」とは違うでしょう。

第二部トークは、丸山敏秋理事長、寛ボルテール氏、星澤幸子先生(北海道倫理法人会会長)三人は、「考えよ、語ろう、食のこと」を語りました。星澤先生は和食は米(白米よりも玄米が良い)と一汁一菜を勧めていました。栄養学から社会学まで、玄米の良さ、身土不二の重要性、朝食の大事さを語り、とても分かりやすいです。米のパワーは「氣」の漢字から分かります。米が立つは「粒」になり、米をこなごなにして分けると「粉」になり、パワーや氣がなくなります。完全食玄米は日本人の食、和食の基本と考えている星澤先生の話は共鳴しました。

確かに、和食が世界無形文化遺産になってから、日本料理の店が急増して、2006年の統計から見ると、2017年は5倍の11.8万店舗で、その中は5万以上が寿司店です。海外の寿司店から、日本人に理解できない料理も出ています。それに連れて、日本の寿司店も内容が変わり、ケーキ、アイスクリームや焼き鳥までも表れ、人に良い食事は、人に喜びの食べ物、経済に貢献する品物への変化は、医療従事者から見ると、残念なことです。

中国医学を研究する丸山理事長は、陰陽のバランス、山と海の幸の組み合わせ、うまみ(旨み)の基はカツオとコンブのことを、昔中国の「淡い」味の元ではないかと語りました。理事長は最後に日本の食事は風土を大事にして、食事(Food)の外国語も同じフードと言う、笑いを取るフォーラムを修了しました。
2019-06-18