陶氏診療院

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主食と副食の経緯
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患者さんに「主食を何を食べる?何割食べる?」と聞くと、答えは「ご飯やパンです。3〜4割です。」

その答えは、まったく違和感を感じない患者に、もう一度「主食」の意味を確認すると、答えは間違ったことに気付く患者が出ます。主食と副食、食事の二大要素で、その全体食料の割でもあります。半分以上超えないことは「主」にはならないです。

いつの間にか、美味しいと栄養を取るため、主食の割分まで手を出して、「主食」を奪われ、本来日本人の米中心する「主食」がなくなりました。3〜4割食べているものを「主食」と思って、問題さえも思わないことは「問題」でしょう。

織物のことを考えてみましょう。布物を作ったことない人も、織物作るのイメージが出るでしょう。そのキーワードは「経緯」でしょう。織物の長さと幅は、最初の縦糸(経糸)が決まっています。織物の模様や色は横糸(緯糸)を決めます。

それは「経緯」言葉の由来で、地球儀上の経緯もその通り縦横の線です。経糸はしっかりしないと、織物は丈夫に作れないでしょう。

主食が経糸になります。基本的に変わらい物です。特にその量は半分以上が基本です。半分以下になると、陰陽の偏る副食に影響され、身体の陰陽バランスも崩れやすいです。

副食は緯糸になります。備える物として、季節の旬の物、味の好み、食べる人の体調、陰陽体質などの理由で、常に変化しているでしょう。しかし、その量は半分以下で、主を超えてはいけないです。主を超えると、身体創りはおかしくなり、陰陽バランスが崩れると、病気(生活習慣病)になります。

どんな病気や症状を持って、診療に来る患者が、私は必ず主食と副食の摂取事情を聞きます。問題があれば、先に直す指導を行います。

主食と副食と織物の経緯のことを理解しながら、自分に合う主食と副食をしっかり確保して、健康生活を目指します。

*経緯

■「経」

・織物の経(たて)糸(縦糸)。
・正しい筋道、道理。
・経書(けいしよ)。経典(けいてん)など仏教関連。

経=縦糸は理念、思想、精神を意味する。お釈迦様の教えに縦糸と言う意味のサンスクリット語があり、「経」と言う字をあてた。ある意味、仏教の「経」とは縦糸と言う意味。「正しい筋道」は、「一本筋が通っている」ということで、経(たて)の精神。

■「緯」
・「緯」は「経」(縦糸)の間をめぐって行きつ戻りつする実践であり、横糸の意味。
・緯(横)は経に対して、知識や学問、道具、肉体などの物質的なものを意味する。

経緯(けいい)とは物事が絡み合った事情のこと。経緯(いきさつ)と読めば、 物事の経過や込み入った事情。この経と緯がうまく絡み合えば、人が生きる上で、バランスの良いものが生まれる。精神だけでは具体的なことはできず、肉体、物質だけのものは、内容のないものになってしまう。両方がうまく噛み合ってこそ、よいものがうまれ、良いことができる。いくらありがたい「経=縦糸」の教えがあっても、「実践」という、「緯=横糸」がないと物事は完成や良い方向にはならないですね。
2018-03-23