陶氏診療院

アクセスカウンター


▼日本バックナンバー
過去ブログはこちらから
世界遺産の意義
カテゴリー 日本
ユネスコ世界文化遺産講演会が8月24日に札幌のホテルで開催されました。100名近い参加者が、公益社団法人日本ユネスコ協会連盟の理事長である鈴木祐司氏による「世界遺産登録:登録の過程と問題点」という講演を聞きました。

1972年に採択された世界遺産条約から始まる登録活動は、1978年に最初の12件から始まりました。当初、登録件数は100件程度を目安としていましたが、2024年現在では1223件に達しています。しかし、その半数以上が欧米に偏っているのが現状です。日本ユネスコ協会などの努力により、世界遺産委員会の構成が見直され、地球上の文化や歴史的遺産をよりバランスよく、そして顕著な普遍的価値を持つものとして登録し、最終的には世界平和に貢献することが目指されています。

しかし、現代社会ではすべての出来事が商業化され、世界遺産の登録もまた、経済問題、政治問題、歴史問題など様々な障壁があります。それにもかかわらず、世界の文化は8000以上の遺産が存在し、登録国も100を超えています。現在の登録件数である1223件はまだまだ不足している状況です。世界遺産は希少価値ではなく、絶対価値を持つものです。

講演会の後半では、北海道大学観光学高等研究センターの教授である西山徳明氏が司会を務め、高校生2人が参加して鈴木理事長と「世界遺産の継承と持続可能な世界」というテーマで対話を行いました。高校生の鋭い質問に対して、鈴木理事長と西山教授は完璧な回答を示し、若者たちの関心と参加によって今回の講演会の価値がさらに高まりました。

世界遺産を見ることを通じて交流が生まれ、理解が深まり、その結果として平和につながります。ユネスコ運動の最終的な目的として、世界遺産登録に対する理解が深まりました。

3年前に登録された「北海道・北東北の縄文遺跡群」は、国内でもまだ広く知られていない状況です。しかし、縄文遺産が世界平和に対して持つ価値について、今後さらに掘り下げていくことが期待されます。
2024-08-27