陶氏診療院

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医学の対象は「人」か「病気」か
カテゴリー 中国医学
医学とは、人そのものの問題を解決するものなのか、それとも病気の症状を取り除くものなのか。この問いにより、原因療法(対因療法)と対症療法という二つのアプローチが生まれました。

人類は700万年にわたる進化の歴史の中で、健康を保ち、長寿を目指し、繁栄してきました。この歴史は、言い換えれば病気と向き合い続けてきた歴史でもあります。資源が乏しい時代には、人間も自然界の動物と同様に、自らの自然治癒力と経験を頼りに薬草などを利用し、病気を克服してきました。こうして誕生したのが自然療法であり、その代表的な例が中国医学です。

一方、西洋では工業革命と同時期に資本主義が誕生し、西洋医学もそれと並行して発展しました。しかし、西洋医学は次第に資本医学とも呼べるものに変化しました。病気の診断、薬の開発と販売、ワクチンの提供など、健康に関連するあらゆる領域が西洋医学の管轄下に置かれるようになり、これにより自然療法は排除される方向へと進みました。

その結果、人の病気を治療する本来の医学の使命は、「病気を治す」という名目で長期的な治療ビジネスへと変質してしまいました。資本主義の利益追求の流れに組み込まれたことで、自然治癒力を活用したアプローチや人そのものに焦点を当てた方法は軽視されるようになりました。現代社会では、病気の数は増加し、それに伴い医療従事者や医療費も急増しています。経済的な観点からは「成功」と見なされる一方で、医学本来の目的である「人を治す」という目標は失われ、人々の不安や不満を増幅させる結果となっています。

この現状を打破するためには、自然界における動物の行動に学び、病気を治すことだけに固執するのではなく、人そのものを癒やし、自然治癒力を活かす方向へと回帰する必要があります。

今からでも中国医学を学ぶことは十分に間に合います。私たちが神様、仏様、そして両親から授かった命を、最後まで輝かせながら生きるために、健康で長寿を目指し、120歳まで幸せな人生を歩みましょう。
2024-11-23