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水にはどんな「機能」があるのか?...「水の可能性」研究を続ける赤塚植物園グループの挑戦
Newsweek 2026年1月5日(月)17時00分
ニューズウィーク日本版編集部SDGs室 ブランドストーリー

赤塚植物園が運営している里山庭園「レッドヒルヒーサーの森」

<農業から水産業、さらには環境再生まで――「水の機能」による持続可能な社会の実現を目指す、赤塚植物園グループの挑戦とは?>
日本企業のたとえ小さな取り組みであっても、メディアが広く伝えていけば、共感を生み、新たなアイデアにつながり、社会課題の解決に近づいていく──。そのような発信の場をつくることをミッションに、ニューズウィーク日本版が立ち上げた「SDGsアワード」は今年、3年目を迎えました。

私たちは今年も、日本企業によるSDGsの取り組みを積極的に情報発信していきます。

◇ ◇ ◇


気候変動の進行や環境破壊、資源の枯渇といった地球規模の課題が深刻さを増す中、限りある資源を有効に活用し、持続可能な社会を築く技術への期待が高まっている。

特に農業分野では、温暖化に伴う異常気象や水不足によって安定生産が困難になりつつあり、これらの課題にどう対応するかが重要なテーマだ。

こうしたなか、赤塚植物園グループでは、独自に開発した「FFCテクノロジー」という技術による「水の可能性」の探求を通して、持続可能な社会への貢献を目指している。

コスタリカの「幸福の木」がきっかけ
1961年に三重県津市の農家であった赤塚充良によって創業された赤塚植物園は、サツキや洋ランなどを中心に園芸事業を展開してきた企業。

1980年代に事業の一環としてコスタリカから輸入した「ドラセナ・マッサンゲアナ(通称:幸福の木)」の生育に苦戦したことをきっかけに「水の可能性」に目を向け、1984年から研究を開始した。

同社によると、FFCテクノロジーは「水の機能を活性化させる」技術。東京大学名誉教授・東京農業大学名誉教授の故杉二郎氏の指導を受けながら研究を続けて確立した技術で、研究を着想する原点となった水溶性二量体鉄塩(Ferrous Ferric Chloride)にちなみ、FFCテクノロジーと名付けられた。

酸化と還元のバランスを整えることで動植物の機能を高めたり、土壌の改質や水の活性化を促進することで、環境を改善したりする効果が期待できるという。

赤塚植物園グループでは、農業・畜産・水産・食品加工といった多様な産業分野において品質向上と環境負荷の低減を同時に実現するものとして、普及を推進している。

農業分野では収量や品質の向上、薬剤使用量の削減、気象災害への耐性向上、畜産分野や水産分野では、健康的な生育や死亡率低減、臭気の抑制などが確認されているという。

2003年の東北冷害の際にはコメ農家から、2016年の天候不順の際には野菜農家から「FFCのおかげで収穫量が安定していた」といった報告もあったという。

代表取締役社長の赤塚耕一氏は「農業分野では、今後より一層、気候変動によるリスクが高まると予想されるので、未来の農業にFFCで貢献したいという想いが強まっている」と語る。

「水の機能」は目に見えないが...
ただし、「水の機能」は目に見えず、科学的根拠の提示も難しいことから、社会的な理解を得づらい。

同社では、米ハーバード大学とも連携し、研究を進めてきたほか、複数の海外の農場でFFCに関する試験を行っている。

同大学の研究では、FFC製品を使用することで、通常の50%の水量で植物が正常に生育する可能性が示唆されたという。こうした研究が進めば、世界の農業用水不足解消や、水資源の節約に貢献できる可能性もある。

また、赤塚植物園グループでは園芸事業でも社会貢献に注力。小学校への球根寄贈や、多くの人が自然を体験できる庭園運営などを通して、「自然と共に生きる文化」の大切さを伝える啓発活動を続けている。

特に、三重県津市高野尾で同社が運営している「レッドヒルヒーサーの森」は、荒廃した里山を長い年月をかけて再生した庭園で、生態系保全にも貢献した。

赤塚植物園グループのような「研究と啓発」、両面からのアプローチを続けていくことが、持続可能な社会への近道になるのかもしれない。

https://www.newsweekjapan.jp/stories/sdgs/2026/01/583071_1.php
2026-01-31