陶氏診療院

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制度と現実
北海道に寒波が襲来すると、最も困るのは観光客です。新千歳空港自体は比較的雪が少なくても、札幌から空港へ向かう交通手段がなければ、旅は成り立ちません。

1月、新千歳空港では120便以上が欠航し、約900人が空港内で一夜を明かす事態が発生しました。札幌へ向かうJRやバスも運休が相次ぎ、多くの人が寒さの厳しい空港の屋外で長い列に並ぶことになりました。

私の患者さんの中に、札幌のタクシー会社で働いている方がいます。その日はハイエースを運転しており、本来なら8人を乗せて帰ることができたはずです。しかし、営業区域の規則により、札幌の車両は千歳の営業地域で自由に乗客を乗せることができません。子どもを含む多くの人が、厳寒の北海道で屋外に並んでいる光景を思うと、胸が痛みました。

制度とは、本来、社会を円滑に運営し、各団体や企業の利益を守るためのものです。しかし、制度だけでは対応しきれない事態が起きたとき、柔軟かつ迅速にどう対応するかは、責任者や担当者の判断力に委ねられます。

冬の雪は、北海道の観光名物であると同時に、災害の原因にもなります。この雪をいかに活用し、被害を最小限に抑えるかは、北海道における環境・観光産業の大きな課題でしょう。企業や自治体が自分たちの立場だけで考えていては、十分な解決策は生まれません。北海道、ひいては日本全体という高い次元から考えることで、さまざまな解決案や、利用者に満足してもらえるサービスが生まれるはずです。

私は医療サービスを提供する立場として、患者さんの目の前にある困難や症状に対し、常により高い視点から考え、最善の方法を導くよう心がけています。医療も観光も、本質は「サービス」です。その点で共通するものは多いと感じます。だからこそ、毎年繰り返される新千歳空港の雪害問題に対し、ぜひ具体的な解決策が示されることを願っています。
2026-01-27