陶氏診療院

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晩御飯と体調
「過午不食(午後に食べない)」は、中国医学における健康の秘訣のひとつです。現代の概念でいえば、「オートファジー(細胞の自食作用)」に通じる考え方です。健康的な代謝を維持し、人間の「倹約遺伝子」を正常に働かせるためには、一日18時間の「空腹」の時間が必要だと言われています。この間、体はしっかりと造血を行い、新陳代謝を促進します。そして残りの6時間が、朝食(午前7時~9時)と昼食(午前11時~午後1時)にあたります。

昼食後からは「空腹」の時間が始まり、これが「過午不食」の基本です。特に体調が悪いときには、晩御飯を抜くことが重要です。

年末が近づくと、忘年会などで晩御飯を食べる機会が増えますが、その日の夜の睡眠の質が低下することが多いものです。たとえば、肺がんの手術を受けた患者さんが施療に訪れ、晩御飯を抜く生活を実践したところ、体調が良くなったと感じたそうです。また、その奥様も一緒に晩御飯を抜いてみたところ、日常の家事、特に風呂掃除がとても楽になったとおっしゃっていました。

とはいえ、現代では晩御飯を抜くという行為は「非常識」と捉えられがちです。三食を摂ることが当たり前とされ、体内時計のリズムが軽視される傾向があります。この「三食習慣」は、ある意味で社会的な刷り込みでもあります。

健康長寿者の経験や、体内時計、そして「過午不食」という中国医学の真髄を理解しながら、正月を除いて、晩御飯を抜く生活を一度体験してみてはいかがでしょうか?
2024-12-10