陶氏診療院

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立場と認識
診療院で患者さんと話すことは、自分にとって最高の学びの機会です。

患者さんは過去にさまざまな環境や生活を経験し、現在の症状や病気に至っています。施療の過程で、その原因を徐々に確認し、最善の実践を行うことで、患者さんの症状が改善されます。その結果は、中国医学の「未病を治す」という思想が正しいことを証明しています。

私は若い頃、西洋医学を学び、病院に勤め、医者として患者さんを診察していました。しかし、当時は経験が浅かったため、病気に対する認識が患者さんとほぼ同じレベルであり、治療効果も自分の期待には及びませんでした。

日本に来て中国医学を実践するようになり、病気に対する認識が大きく変わりました。病気は、生活の不自然さ、食生活の乱れ、住環境の問題などを知らせてくれるサインだと考えるようになりました。その知らせを真摯に受け止め、原因を解消するための指導に切り替えた結果、健康を作り出すことで患者さんの施療効果が向上しました。

今では、医療の道を38年歩んできた中で、経験と実践を重ねるにつれて、立場や認識も医学大学を卒業した当時とは大きく変わりました。医者は歳を重ねるほど経験が豊かになり、信頼も高まります。中国の「老中医」のイメージは、長い白髭を生やした老人であり、それは安心と信頼を与える、平和な医者の象徴です。私もそのような医者を目指し、白髭を伸ばすつもりはありませんが、あと43年(103歳まで)現役を続けたいと思っています。
2024-10-19