好きな中国の言葉「以不変応万変」（不変に以って万変に応ず）があります。意味は：しっかりした基本を身に付けていれば、どんな変化にも対応できるとのことです。

西洋医学を勉強して、様々な病気のことを知りました。しかし、今の仕事では中国医学を応用して様々な症状や難病まで改善。西洋医学の病院に勤めていた時よりも沢山の患者さんに喜びの笑顔が戻りました。それはなぜかと自分に問いたところ、「不変に以って万変に応ず」の言葉を思い出しました。

万変するのは人々の様々な病気です。不変とは中国医学の治未病（健康を作る）の理念です。今の診療院の仕事は、まさに中国医学の健康作りの方法をもって、万病に対応しております。

西洋医学は、万病に対して様々な薬や治療方法を開発、研究しました。近代３００年近い西洋医学の発展はある程度人類の進化に貢献してきたと思います。しかし現在病気が蔓延する社会を見れば西洋医学だけでは、ぜんぜん対応しきれていないことがわかると思います。なぜそうなるのか。私が思うには万変の病気に万種の方法で対応しているから、効率が悪いだけではなく結果も万様になってしまうのではないかということです。患者さんが求める唯一の結果：「健康」は、なかなか最終結果として支え切れていないのです。

健康に問題が出たら問題を解決するのが先ではないでしょうか。現在の西洋医学では問題が出た後の、「結果」を一生懸命変えているような気がします。結果が変わっても原因が残れば新たな問題が出るでしょう。なぜそんなことになっているのでしょうか。

近代工業と技術が発達したおかげで顕微鏡やレントゲンなどの検査手段が精巧になりました。それにより感染症が多かった時代には、外因としての病原菌の感染ルートを知ることができ、病原菌に対抗する沢山の抗生物質の応用をしながら世界の感染病を一時抑えることができました。当時の死病である結核病の撲滅は西洋医学の一番の代表作とも言えるでしょう。しかし、病原菌に対抗する抗生物質が、常に進化していた病原菌の進化に追いつかないため、毎年インフルエンザなど感染症の流行があとを絶たず、人々の健康を脅かしています。

又、現在は感染症よりも生活習慣病の時代へと突入しているのではないかと私は思います。生活習慣病の原因は文字通り生活習慣である訳ですが、西洋医学の治療は病気そのものですから、原因を解決する対策が少なすぎてほとんどの生活習慣病は野放し状態です。

中国医学では「未病を治療する」、すなわち未来の健康を作るというその不変の理念で病気と付き合っていました。陶氏診療院でも、それを活かした陰陽バランス健康法の陶氏療法を提供し、様々な症状を改善しながら未来の健康作りを重点的に指導し健康未来を作ります。

自分の好きな言葉が今のような仕事のスタイルと内容にまで影響するとは当初考えもしなかったです。日本の坂本竜馬も「以不変応万変」を座右の銘として使っていました。それを知って、ちょっと自慢になりました。