陶氏診療院

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錯覚について
今日は「錯覚」について、少し一緒に考えてみたいと思います。

近代科学の研究によると、私たちは思っている以上に「錯覚」の中で生きているそうです。目で見たものをそのまま現実だと思い、心に浮かんだ思いや感情を事実だと信じています。けれども、それが本当にそのままの姿とは限りません。

目の錯覚は、どちらかというと楽しいものですね。マジックショーでは、私たちは見事にだまされます。でも、それがうれしくて、驚いて、思わず拍手をします。こうした目の錯覚は、私たちに楽しさや感動を与えてくれます。

しかし、心の錯覚はどうでしょうか。「きっとあの人はこう思っているに違いない」、「自分は大切にされていないのではないか」、そんな思い込みが生まれることがあります。そして、その思い込みを事実だと決めつけてしまうと、感謝の気持ちを忘れたり、人を責めたり、自分を追い込んだりしてしまうことがあります。

実は、多くの失敗や心の不調は、こうした“心の錯覚”から始まるのかもしれません。

倫理の学びでは、私たちがこれまで生きてきた世界を「顕界」と呼びます。それは自分の過去であり、宿命ともいえるものです。うれしかったことも、苦しかったことも、すべてを含めて今の自分があります。「これでよい」と受けとめることが大切だと教えられます。

そして、これから歩んでいく未来の世界を「幽界」といいます。これからの人生です。明るい心で「大丈夫」と自分に声をかけながら、夢や希望を持って歩んでいく。その先には、誰にでも人生の最終駅である「死」があります。

でも、そこに至るまでの道のりは、自分の心の持ち方で大きく変わります。「やればできる」と信じて一歩を踏み出す人には、新しい道が開けていきます。

だからこそ、私たちは錯覚に気づくことが大切なのです。

「これは本当だろうか」、「思い込みではないだろうか」と、少し立ち止まってみる。

そして、これまで支えてくれた人や環境への感謝を忘れず、これからの未来に希望を持って進んでいく。そうすれば、毎日が少しずつ明るくなり、きっと穏やかで充実した人生へとつながっていくでしょう。

錯覚に振り回されるのではなく、錯覚に気づける自分になる。

そのことが、楽しく、意味のある人生への第一歩なのかもしれません。
2026-02-27