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老中医のまなざしで見る香港 ― 都市と人の「気」の流れ
香港の面積は約1,110平方キロメートル、東京都の約半分ほどです。山が多く、限られた平地に都市機能と人口が集中し、約750万人が暮らしています。この高度な集中は、老中医の目で見ると「気が集まり、気が動き続ける場所」と言えるでしょう。
街に立つと、林立する高層ビルはまるで巨大な山脈のようです。風がビルの間を流れ、光が細く差し込み、人々が絶えず行き交う――これは都市の経絡のようなものです。道路は血脈、交通は気血の運行です。狭い道を走る二階建てバスが、互いにぎりぎりの距離で停まり、また動き出す様子を見ていると、まるで気が滞らぬよう絶妙に調整されている身体の働きを思い起こさせます。
二階の最前列に座ると、建物が迫り、空間が圧縮されるような感覚があります。しかし同時に、都市の強い「陽気」を感じます。刺激があり、活力があり、人の心拍数が少し上がるような感覚です。都市の気は、人の気を動かします。
香港は物価が高い一方で収入水準も高く、教育や医療制度が整っています。平均寿命が世界トップクラスになった背景には、単に制度だけでなく、都市全体の活力――すなわち「生気」が満ちていることも関係しているのではないでしょうか。公立医療の負担が軽く、高齢者が守られている仕組みは、社会全体の気血を補う“補剤”のようにも感じられます。
娘が案内してくれた高層ビルに囲まれた写真スポットでは、四方を壁のような建物に囲まれ、細い空が切り取られて見えました。そこに立つと、まるで深い谷に入ったようで、気が上へ上へと引き上げられる感覚があります。ビルの森林――これは現代の「人工の山水」です。風水でいう“蔵風聚気(風を蔵し気を集める)”の形が、都市の中に現れているのかもしれません。
かつて市街地のすぐ近くにあった空港では、飛行機が高層ビルの間を縫うように着陸していました。その光景は、強大な金気が都市の気場に切り込むようでもあり、緊張感に満ちていました。現在は郊外に移り、都市の気の流れも少し穏やかになったように感じます。
老中医として思うのは、都市にも体質があるということです。香港は典型的な「陽盛で動の気が強い都市」です。ここで暮らす人は活力を得やすい反面、心身を静め、陰を養う時間も大切になります。都市の速いリズムの中で、呼吸を整え、心を静かにすること――それが都会で健康を保つ養生でしょう。
都市を歩くことは、巨大な身体の中を巡ること。人はその一細胞として、気の流れに触れながら生きています。香港の街を歩きながら、私は改めて「人と環境は一体である」という中医学の原点を感じました。
街に立つと、林立する高層ビルはまるで巨大な山脈のようです。風がビルの間を流れ、光が細く差し込み、人々が絶えず行き交う――これは都市の経絡のようなものです。道路は血脈、交通は気血の運行です。狭い道を走る二階建てバスが、互いにぎりぎりの距離で停まり、また動き出す様子を見ていると、まるで気が滞らぬよう絶妙に調整されている身体の働きを思い起こさせます。
二階の最前列に座ると、建物が迫り、空間が圧縮されるような感覚があります。しかし同時に、都市の強い「陽気」を感じます。刺激があり、活力があり、人の心拍数が少し上がるような感覚です。都市の気は、人の気を動かします。
香港は物価が高い一方で収入水準も高く、教育や医療制度が整っています。平均寿命が世界トップクラスになった背景には、単に制度だけでなく、都市全体の活力――すなわち「生気」が満ちていることも関係しているのではないでしょうか。公立医療の負担が軽く、高齢者が守られている仕組みは、社会全体の気血を補う“補剤”のようにも感じられます。
娘が案内してくれた高層ビルに囲まれた写真スポットでは、四方を壁のような建物に囲まれ、細い空が切り取られて見えました。そこに立つと、まるで深い谷に入ったようで、気が上へ上へと引き上げられる感覚があります。ビルの森林――これは現代の「人工の山水」です。風水でいう“蔵風聚気(風を蔵し気を集める)”の形が、都市の中に現れているのかもしれません。
かつて市街地のすぐ近くにあった空港では、飛行機が高層ビルの間を縫うように着陸していました。その光景は、強大な金気が都市の気場に切り込むようでもあり、緊張感に満ちていました。現在は郊外に移り、都市の気の流れも少し穏やかになったように感じます。
老中医として思うのは、都市にも体質があるということです。香港は典型的な「陽盛で動の気が強い都市」です。ここで暮らす人は活力を得やすい反面、心身を静め、陰を養う時間も大切になります。都市の速いリズムの中で、呼吸を整え、心を静かにすること――それが都会で健康を保つ養生でしょう。
都市を歩くことは、巨大な身体の中を巡ること。人はその一細胞として、気の流れに触れながら生きています。香港の街を歩きながら、私は改めて「人と環境は一体である」という中医学の原点を感じました。
2026-02-22



