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中国文化の陰陽とコンピュータ言語(二進法)
カテゴリー 中国医学
易経学の陰陽二分法とコンピュータの二進法(バイナリ)の間には、思想的・構造的な類似性が見られます。

1. 根本的な「二分法」の一致

陰陽思想(易経)では、万物を「陰(⚋)」と「陽(⚊)」の2つの相反する要素で説明します。

二進法(0と1)も、すべての情報を「偽(0)」と「真(1)」の2つの状態で表現します。

どちらも「2つの対立する要素で世界を記述する」という発想が共通しています。

2. 組み合わせによる複雑性の表現

易経では、陰陽の組み合わせ(太極→両儀→四象→八卦→六十四卦)で事象を予測・分析します。

コンピュータも、0と1の組み合わせ(ビット→バイト→マシン語→高級言語)で複雑なデータや命令を表現します。

単純な2値の積み上げで、高度な情報を構築できる点が類似しています。

3. ライプニッツの影響

17世紀の数学者・哲学者 ゴットフリート・ライプニッツは、中国の陰陽思想(八卦)に触発され、二進法の研究を進めたと言われています。

彼は「0と1だけで計算可能」という二進法の理論を確立し、現代コンピュータの基礎を作りました。

4. 現代技術への応用

量子コンピュータの「量子ビット(Qubit)」は、0と1の重ね合わせ状態(陰陽の調和に近い概念)で計算します。

AIのニューラルネットワークも、二値化(Binary Neural Networks)などで陰陽的な「ON/OFF」処理を利用します。

「陰陽」と「二進法」は、「単純な2つの要素から複雑な世界を構築する」という点で思想的に共通しています。ライプニッツが易経からヒントを得たように、東洋哲学と西洋科学は意外なところでつながっているのです。

さらに深めるなら、「易経は古代の符号論理、コンピュータは現代の符号論理」と見ることもできるでしょう。
2025-04-16