陶氏診療院

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オートファジーが働かなかったらどうなる?
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2016年「オートファジーのメカニズムの発見」で東京工業大学名誉教授の大隅良典(おおすみ・よしのり,71歳)氏にノーベル生理・医学賞が贈られました。

オートファジーとはギリシャ語の由来で「自分を食べる」という意味で、人体は飢餓(栄養不足状態に陥る)と細胞が不要になった構成要素を自分で分解して再利用する仕組みのことです。その仕組みで人体の約7割の栄養素が毎日作られ、生命の正常な新陳代謝に大きな役割を果たします。

大隅氏は1980年代後半から酵母を使った研究を進め、1990年代初めにオートファジーに必要な遺伝子群を初めて明らかにして、オートファジー研究が大きく進展する端緒を開きました。 オートファジーがうまく働かないとパーキンソン病や2型糖尿病、ある種の癌などの疾患につながり、こうした生理学的・医学的な重要性が明らかになったのは大隅氏による1990年代の研究があったからです。

オートファジーがうまく働かない条件は身体の飢餓する時間がないからです。間違っている時間で飢餓してもダメです。飽食現代は、オートファジーがうまく働かない最大原因です。その認識が甘くなると、正常な新陳代謝ができなくなり、「脂肪(しぼう)・しみ・皺(しわ)」などの「し」が付く言葉ができ、最後に病「死」(し)につながります。

オートファジーが働かなかったら、し(死)になります。飢餓の重要性がノーベル生理・医学賞で説明され、油断はできないでしょう。金と努力で死を買う行為をやめるべきです。
2019-10-08