陶氏診療院

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天演と進化(英: evolution)
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生命は進化すると明確な形で提起したのはダーウィンである。ダーウィンは著書「種の起源」(英: On the Origin of Species)の序文で、彼の提唱する「自然選択説」を以下の様にまとめている。すなわち、1)生物は多くの子孫を生み、2)それらの子孫には変異があり、3)一方、生物を養う資源には限りがある、4)そこで、多くの子孫の中での最適者が生存する。(東京薬科大学学科紹介HP生命の進化より)

「種の起源」からの「進化」の言葉は英語evolutionから、加藤弘之が「立論の過程において」作ったいわば「和製漢語」のひとつであります。中国では、清代漢学者、啓蒙思想家、翻訳家厳復は、進化論者トマス・ハクスリーの著作「進化と倫理 」の進化evolutionは「天演」と翻訳し、『天演論』で進化のことを、中国国内へ紹介しました。

進化とは、進歩の連続と理解し、良くなることを連想します。天演は天、自然を指すことで、天演は天の演出、自然の選択として、evolutionの本意に近いような気がします。しかし、天演を訳した厳復本人も、進化という言葉を使う表現もあり、現代中国語は、evolutionは「進化」と統一しました。

生命の進化と言ったら、今回の新型コロナウイルスはどう思いますか?700万年進化し続けた人類はいかがですか?体力、知的の力、本能まで、必ず進化と言えますか?知的能力は進化と言ってもいいけど、体力と本能などは、もはや退化と言っても分かりやすいでしょう。そのため、生命の進化は生命の演化と言った方が、生命への理解はもっと真実に近いではないでしょうか。
2020-07-19