陶氏診療院

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健康の加減
カテゴリー 中国医学
加減とは、小学校で習う算数の四則演算の一つであり、足し算(加法)や引き算(減法)と同様に、理解できるものでしょう。学生時代には、簡単な問題に「心算」で直接答えを書くことが好きで、中学校の数学コンテストでの上位入賞もその延長にあるでしょう。(自慢話ですが)

加減がうまくできる人は、人生の勝者になる可能性があると私は推測します。加減は善悪の問題ではなく、まるで陰陽の世界のように、善悪の区別はありません。それは世の中のバランスの一部であり、どちらも重要で欠かせない要素です。良い社会は、加減をバランスよく取り入れることができた時に実現されるでしょう。

したがって、健康の加減とは何でしょうか?それを理解すると、答えは明確になります。例えば、現代の西洋医学の治療方法を見ると、腎不全の人工透析は血液中の特定の成分を減らす治療以外にはほとんどが足し算であり、健康を取り戻すために何を加えればよいかを考えています。人工透析は腎不全を完治させることはできず、生命を維持するためのものです。他の足し算の西洋医療も、現状を維持するだけであり、全体的な病気の減少や完治には程遠いでしょう。

中国医学の漢方治療も、患者に応じた経験に基づいた処方の加減が重要です。この加減が日本の漢方には欠けているため、日本の漢方医学の生命力は弱いと言えます。日本の漢方医は、国の基準に従った処方の中で、いくつかの規定処方を組み合わせる際に多くの生薬を無駄に使用してしまい、効果を上げるために無理をしてしまっています。

クスリ(薬)にはリスクがあり、「薬補不如食補(薬補は食補に及ばない)、食補不如気補(食補は気補に及ばない)」という中国の諺があります。健康の加減も、食事の質や気の取り入れ方に関係しています。気のある食事を摂ると、食事の補完と気の補完が同時に行われます。足し算一方の西洋医学に対して、中国医学は加減が重要だと考えられてきました。

健康の加減における重要な要素は食の加減です。基準は非常に簡単です。自宅に身長計、体温計、体重計(体脂肪と内臓脂肪、筋肉量と新陳代謝率が測定できるタイプ)、血圧計があれば、自分でも判断や調整ができるでしょう。

日本未病学会東洋医学部会が主催する「市民公開未病セミナー2024」(9月16日、祝日、午前9時から午後5時まで)では、私が90分間、健康の加減に焦点を当て、特に食事の質について解説します。全国のネットワークセミナーにぜひご参加いただき、私以外の先生方の講演もお楽しみください。日程を空けておいてください。
2024-02-15