陶氏診療院

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ドクター陶の健康コラム・連載・vol.58 哲学の3つの究極の問い
高陽社の月間コーヨーライフ2025年一月号に、「ドクター陶の健康コラム・連載」。内容を紹介します。

哲学の3つの究極の問い

哲学における3つの究極の問いは、「私は誰か?」「私はどこから来たのか?」「どこに戻るべきか?」というものです。中国語のインターネット上で見た、その解釈には、大いに納得させられました。

医学的には、私は両親から生まれ、父母も又それぞれ祖父母から生まれました。更にその祖父母も曾祖父母からと続きます。
このように代を遡ると、10代前には1024人の祖先が、20代前には104万8千576人もの祖先が存在します。30代前であれば、10億7374万1824人、40代前ともなると2兆人以上です。
私達は無数の先祖達の遺伝子を受け継いだ、まさに祖先達の結晶と言えるでしょう。
これを果樹に例えるなら、果実が私で、周囲の果実が兄弟、果実につながる枝が両親、幹が祖父母、根が更に古い祖先達です。立派な果実に成長するためには、周囲の兄弟や両親、祖父母、曾祖父母達からの栄養と保護が必要です。感謝の念を忘れず、成長するためには、枝や幹、根に栄養を返していかなければなりません。
我々の成長は、生まれてから毎日摂取する食物のおかげでもあります。食物は自分と一体化する前は「他者」でしたが、摂取し分解、吸収することで「私」となります。宇宙と私は一体であり、私は宇宙のエッセンスで、全ての根源と繋がっています。

老子第四十章に、「反る(かえる)者は道の動なり」という言葉があります。人類が向かう場所、つまり戻るべき場所も、また原点にほかなりません。生命の原点は死でもあります。生命の形は身体ですが、身体には魂も宿っています。身体が死んだ時、魂はエネルギーの振動の強さや速さによって鉱物、植物、動物、あるいは再び人へと生まれ変わります。高いエネルギーの魂は、立派な人間としての新たな人生を歩むでしょう。
このように、今生で修行し、精進する事こそ、人間としての使命と言えます。
2025-01-04