陶氏診療院

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海外で過ごす除夕の日―それぞれの地に流れる春節のかたち
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中国の春節は、いまや世界的な祭りとして広がりを見せています。オーストラリアやヨーロッパ、アメリカの大都市では、街中が赤い飾りやイベントで彩られ、パレードや花火も行われ、まるで「もう一つの新年」のような賑わいがあります。

それに比べると、日本での春節の雰囲気はやや控えめで、日常の流れの中に静かに溶け込んでいるように感じます。同じ海外でも、地域によってこれほど温度差があることに、毎年あらためて気づかされます。

わが家の子どもたちは二人とも日本生まれで、小さい頃はよく春節に合わせて中国へ帰省していました。しかし生活の基盤が日本にあるため、旧正月に対する印象はそれほど強くはありません。海外に暮らす家族にとって、祭りの記憶は「どこで過ごすか」によって大きく左右されるものだと感じます。

今年の大晦日(除夕)は16日でした。昼は診療の合間に、子どもたちと一緒に「王将」でラーメンを食べました。妻は帰国し、義母とともに舟山で年越しの夜を過ごしています。息子は友人の誕生日祝いに出かけ、娘はアメリカに戻り、友人と過ごしていました。私は一人で中国中央テレビの春節特別番組を見ながら、静かな除夕を過ごしました。

海外で暮らしていると、祭りは「個人の行事」になりやすく、街全体の空気に包まれる中国の春節とは違った味わいがあります。環境が整っていなければ、旧正月の高揚感はどうしても薄れてしまいます。それでも、離れていても番組や家族との連絡を通じて、心の中で新年を迎えることができます。

インターネットを通じて、中国や日本の友人からお祝いのメッセージが次々と届き、そのやり取りに忙しくも温かな時間を感じました。距離があってもつながれるのは、現代ならではの春節の姿でしょう。

中国の旧正月は、自然の節律と人の身体のリズムに寄り添った行事でもあります。だからこそ、国や文化を越えて共感を呼び、これからも世界各地でさまざまな形で根づいていくに違いありません。
2026-02-18