陶氏診療院

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無酸素代謝と有酸素代謝
カテゴリー 論文発表
生命の誕生は、無酸素の環境から始まりました。人類の生命維持するときにも、無酸素代謝が存在します。

酸素が地球に増えるとともに、生物の多様化も一気に進化して、人類も有酸素代謝により、大量のエネルギーを生み出し、人類の大脳も発達して、人類は地球上の生物の頂点に辿りつきました。

人体の健康長寿も、進化の歴史の中で、有酸素代謝と無酸素代謝のバランスを取るのが、キーワードになりました。無酸素代謝は、細胞の分裂と成長、有酸素は細胞分裂を抑え、修復と維持、両方とも大事な生理代謝で、そのバランスのカギは健康生活にあります。

人々が急病になり、呼吸が苦しい、生命活動が低下するとき、救急車に運ばれ、まず酸素吸入を行います。今回の新型コロナウイルス肺炎の患者にも、呼吸困難になった時、経皮的動脈血酸素飽和度 (SpO2*)90%未満になると、酸素吸引を行います。酸素吸引は、低酸素状況を改善するの物理方法の一種で、すべての低酸素症状を改善するではないが、酸素提供により、無酸素代謝から有酸素代謝に転換し、すなわち修復と維持の力で、病気を乗り越えます。

身体は、低酸素環境になると、無酸素代謝も切り替えます。短時間で、生命の危険はないでしょう。無呼吸症候群の患者は、無呼吸の間に、身体中低酸素になり、無酸素代謝をよく行うでしょう。

有酸素運動の言葉は、よく聞かれるでしょう。それは、身体の有酸素代謝を持続するのことです。激しい運動は、有酸素代謝が間に合わない時、無酸素運動に切り替えます。その時、無酸素運動で、たくさんの糖質を分解して、一気にエネルギーを獲得し、乳酸など代謝物もたくさんつくり、身体は疲れを感じるでしょう。

瞬発力が生まれる無酸素代謝と持続力を発揮する有酸素代謝、我々の生命の活発と安静を良いリズムをつくり、楽しい健康を支えてきました。

次回は、有酸素代謝と無酸素代謝から、免疫力と癌のお話を話しましょう。

*SpO2とは、血液中にどの程度の酸素が含まれているかを示します。SpO2 の S は Saturation (飽和), P は Pulse (脈), O2 は酸素を示しています。血液中には酸素を運ぶヘモグロビンがあります。SpO2 は、血液中(動脈)の多くのヘモグロビンの何 %が酸素を運んでいるかを示しています。正常値は96 %以上、95 %未満は呼吸不全の疑いがあり、90 %未満は在宅酸素療法の適用となります。
2020-05-06