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人類の食事は一日何食ですか?
カテゴリー 論文発表
新年早々、統合医療学会年間誌2015年度「IMJ北海道支部ニュースレター」が届きました。

去年学会で間に合わなくて、今年新年に会員さんの手に行きました。自分の投稿「人類の食事は一日何食ですか?」が一ページ掲載しました。早速来る患者さんや先生に配り、健康の意識は健康なうちからでしょう。

ここで皆さんに紹介します。ぜひ参考して新年の健康を一層レベルを上げましょう。


人類の食事は一日何食ですか?

陶氏診療院・漢方アロマ療養師育成校 医学博士・院長 陶恵栄 副院長 沈怡

人類が初めて一日三食になったのは、1910年アメリカの電気製品発明王のエジソンが、電気パン焼き機(トースター)を発明して、それを普及させようとして「電気パン焼き機(トースター)があれば一日三食の食事ができる」と宣伝したのが始まりだと言われています。

それまでの人類の食事は、一日二食でした。

一日二食と一日三食、どちらが人類に向いているでしょうか。100年前、電気がない時代、太陽の光を照明として利用した人類は、一日二食は自然に合う摂理であり、そのため、700万年と言われる人類の歴史進化を見ると、一日二食に合わせて、五臓六腑の働きもそれなりに合わせるようになりました。

2000年前の中国医学の古典医書「黄帝内経」の研究記載によると、人類の五臓六腑の中、消化器官の働く時間は朝5時から7時が大腸経で排泄する、摂取する消化器官は朝7時から9時の胃経、9時から11時の脾経、午後1時から3時の小腸経です。

ちなみに、午後3時以降、人類の食事に対して、消化器官の働きが終わりです。しかし、電気の発明により、人類の明るい時間が延びたことで、二食のエネルギーでは足りなくなり、人工照明と電気炊飯器具の普及により、三食は「近代文明」の象徴になりました。しかし、人類の五臓六腑の進化は付いていっていないため、身体中のバランスが崩れ、代謝不良により代謝病(生活習慣病)が発生しました。

糖代謝が異常になると糖尿病、糖質代謝欠損症(糖原病);脂質代謝異常になると高脂血症、脂質代謝酵素欠損症(Gaucher病、Niemann-Pick病、Tay-Sachs病);タンパク質・アミノ酸代謝異常になると、アミロイドーシス、α1アンチトリプシン欠損症、フェニルケトン尿症、Marfan症候群;核酸・ヌクレオチド代謝異常になると、痛風、Lesch-Nyhan病が発生します。いろいろな代謝異常により、動脈硬化、肥満、心臓病、癌まで致命的な病気が発生します。

三食することで、身体に一番でた反応は肥満です。なぜ晩御飯を食べると肥満になるのか、近代の研究者の研究によると、脂肪細胞に脂肪をためこみ働くたんぱく質BMAL1(脂肪貯蔵たんぱく質)が関係しています。BMAL1の生理リズムの研究でその理由が明らかになりました。

BMAL1というたんぱく質が多いほど、脂肪がたくさん増えます。午後10時から午前2時の間、BMAL1の量は一番多くなります。朝6時から午後3時は一番少ない(夜の1/20)です。一日二食の人間の進化の結果で、夜食事するのは向いていないことが分かります。

現代医療により、乳幼児の死亡率が減り、大規模な戦争も減り、救急医療の普及により、人類の平均寿命は近代100年間で、世界の平均寿命が31歳から倍以上になりました。しかし、人の死因は感染症と戦死から生活習慣病に変化し、健康寿命を目指すため、生活習慣を直さないといけないです。そのため、基本的なことは自分の健康状態に合わせて一日の食事を何食にしたら良いのか?を理解して、行動すべきではないでしょうか。

陶氏診療院に通う患者さんは、その中国医学の健康理念と処方を指導すると、晩御飯を抜き、早寝早起きなどを実践したら、肥満者は正常になり、癌患者も健康に回復した例もあるので、人類のあるべき姿に戻るように、健康のため、食事は一日二食を選ぶことをお勧めします。
2016-01-09