陶氏診療院

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ドクター陶の健康コラム・連載・vol.65 食事と精神症状
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高陽社の月間コーヨーライフ2025年八月号に、「ドクター陶の健康コラム・連載」。内容を紹介します。

食事と精神症状

6月、日本栄養精神医学研究会会長であり、医療法人山口病院副院長でもある奥平智之(おくだいら ともゆき)先生による講演会に参加しました。栄養精神医学という観点から、メンタルヘルスと食事の関連についての内容でした。

食事や栄養療法を重視した診療を実践されている奥平先生は、鉄欠乏状態にある女性を「テケジョ(鉄欠乏女子)」と名付け、栄養の問題に起因する精神的不調を「栄養型うつ」と定義。食事と栄養を通じて心の健康を回復させる「栄養精神医学」の重要性を、広く啓発されています。

先生は多数の著書も執筆されており、私も「最新版、マンガでわかるココロの不調回復 食べてうつぬけ」(主婦の友社)を購入しました。この本には東洋医学の陰陽体質に基づいた栄養療法のアドバイスも盛り込まれています。診療院に置いて、患者さんにも読んでいただこうと思います。

特に「栄養型うつ」に該当する方は、自分自身の体をチェックし、食事を見直すことで、薬に頼らず改善できる可能性があります。血液検査の結果に基づく具体的な食事指導メニューには、納得のいく内容が多くあります。

中国医学では、心(こころ)と小腸は表裏の関係、陰陽の関係にあるとされています。奥平先生も診察において胃腸機能のチェックを重視しており、中国医学の理論から多くのヒントを得て、実際に多くの患者を救ってこられました。

また栄養療法と漢方を組み合わせた治療においては、玄米酵素を活用しています。特に、胃腸の機能が低下している方や、食事の準備が困難な方にお勧めの方法でしょう。

体の健康だけでなく、心の健康、つまり精神症状の背景にも、食事や生活習慣の乱れが隠れています。その原因を見つけ、正しい方法で根本から解消することは、治療の醍醐味です。

その後は、予防を意識しながら健康的な食生活を続けていくことで、心身ともに健やかに過ごすことが出来るでしょう。
2025-08-02